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『ジャッキー・コーガン』 資本主義の殺し屋は舞い降りた - 1953ColdSummer

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『ジャッキー・コーガン』 資本主義の殺し屋は舞い降りた


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ジャッキー・コーガン
KILLING THEM SOFTLY
2013/アメリカ/R15+ 監督:アンドリュー・ドミニク 出演:ブラッド・ピット/リチャード・ジェンキンス/レイ・リオッタ/他 原作:ジョージ・V・ヒギンズ 『ジャッキー・コーガン』


 経済不況の何が恐ろしいのかと申しますると、これはもう経済成長の低下と共に人間の命の価値も下落していくというところで、かかる非人権的環境は一部の例外を除いて、必ず市井に構築されていく、という事であり、それに舌打ちをしようものなら小林多喜二みたいにされるし、周囲の奴隷が奴隷を縛る様子を窺うとワガの正気が失われゆくようであるし、故に場末のサンピンが貧乏だろうが、殺し屋相手の支払いを値切ってしまおうが、オバマ大統領の笑顔のもと、しゃあないやんけ、不景気なんやから、と、しみったれた理由を口にする正当性が付与されてしまう。あ、『ジャッキー・コーガン』という映画の話。

 批評家ウケはするが大衆ウケはしない、なんつう前評判を耳に批評家面をしてころころ観に行ったのであるが、兎角辛気臭い映画で、その辛気臭さが何に由来しておるかというと、サブプライム・ローン、はは、口にするだけで嫌になりそうな大不況がその根源に存在しおり、主体となる会話劇も、人は貧乏になると著しく知性が下がって下ネタと金と現状への不満しか口にしなくなる、という、底辺への資本主義侵入の裏付け/真理に基いて作劇されており、話が始まって30分くらいしてやっと登場するブラッド・ピットを観るころには、丹田の辺りに力を入れていたはずが、こめかみを揉む指に力が入っていたという状況で、でもこめかみを弄ると映画の内容が変わる、というわけでもないので、本作がどう着地するか、それだけを愉しみに賭場荒らしなどに観入っておった。

 と書くとまるで面白くない、ネットで随所に貼られる飯、猫、空の写真と同程度の退屈さを感じる向きもあらせられましょうが、はな、それは早合点というもので、早合点が過ぎると人間は最悪死に至るし、本作『ジャッキー・コーガン』はつまらない、という誤った評価を下す可能性もあるので出来れば最後まで話を聞いていただきたい。そう、本作、『ジャッキー・コーガン』は、面白い、のである。

 であるが、作品が面白い、のと、作品を面白く感じる、のは、また別の話で、わたしが本作を「面白い」とした理由は主に社会派ながら殺人描写がビシっと決まっているスタイリッシュさや、タランティーノやジャームッシュの匂いがしないでもない会話劇から背景を想像できる事の楽しさ、それらによる演繹的な総括、などを理由としているのだけども、面白い、のと、だから楽しめる、というのもこれまた別の話で、スーパーでお惣菜に半額シールが貼られるのを待っているような方々には本作の貧乏臭さは生々しすぎて受付けなかろうし、生活は政治に従属し、政治は経済に従属する、という現実を知っている以上は、スクリーンにたびたび出てくるオバマやブッシュの顔はむかつくだけであろう。

 社会の規範に属さない、属する事が出来ない下層市民の蠢きを踏襲した、表現主義的な映画だという事は理解の範疇であるが、それを御旗と仰いで狂気して命のやり取りをする、というのは理解してはいけないし、狂気は理解されるものではないのだけども、何で人が狂気するかというと、それはもうお金が無いからで、狂気の発芽は財布に宿るという非常にミニマルな事実を、ばんばん人を殺しつつ説法してくれるのだが、時折差し挟まれる大統領選の様子がその殺人に対して肯定を表意しているようでもあり、本作には生誕の災厄に関して手の白い人間は存在せぬようにも感じられる。ジャッキー・コーガンがさくさく人を殺す様子。その銃口がいつ公的資金を投入された銀行に向けられるのか、てな事に期待を高めて観ていた者の願望は叶えられるか裏切られるか。映画は現実と地続きになりつつあるのである。


ジャッキー・コーガン (ハヤカワ文庫NV)ジャッキー・コーガン (ハヤカワ文庫NV)
ジョージ・V・ヒギンズ 真崎義博

ファイナル・ターゲット (上) (ハヤカワ文庫 NV) ファイナル・ターゲット (下) (ハヤカワ文庫 NV) 夜に生きる 〔ハヤカワ・ミステリ1869〕 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) アウトロー 下 (講談社文庫) アウトロー 上 (講談社文庫)

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