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『トガニ 幼き瞳の告発』 この「この世の地獄」は、本当にあります


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トガニ 幼き瞳の告発
도가니 (SILENCED)
2012/韓国 R18+ 監督:ファン・ドンヒョク 出演:コン・ユ 他 原作:コン・ジヨン 『トガニ 幼き瞳の告発』


「自殺する度胸も無いくせに、竹刀(でボコ殴られた)くらいでピーピー泣くな」
 とか、
「お前より恵まれていない人間はいくらでも居るんだから不幸そうなツラをするな。ほれ笑え。今すぐ笑顔をしろ」
 とか、そうした台詞の対象にされてみたと考えて下さい。それにどうリアクションを取るのが正解なのでしょうか?

「正解」などありません。この台詞の対象にされた時点で、「詰み」です。

 上記の台詞は、今回ご紹介したい映画『トガニ 幼き瞳の告発』の作中で発せられるものではありません。つまり、映画の中の、フィクションの台詞ではありません。
 現実で発せられた台詞であり、言った方、言われた方の当事者が存在します。

『トガニ』の舞台は韓国は郊外の聴覚障害者学校ですが、そこでは大人たちから児童への、性的虐待を始めとする、体罰、暴力が日常的に繰り返されています。幼女が押さえつけられて洗濯機の中に顔を沈められている様子や、男児の顔面を思いっきりぶち殴って、「立て」と言っては立たせ、またぶち殴る様子などは、「暴力」などという散文的な形容では表現しきれない、「拷問」そのものです。

 普段、人体が損壊したり人命軽視の映画などを観て「これはフィクションだから」と折り合いを付けているにも関わらず、本作の人間としての尊厳の否定を観て、フィクションだファンタジーだとフィルタを通すことが出来なかった。

 それは何故か。

 韓国の聴覚障害者学校ではなく日本の孤児院でも、同じ地獄が見られるからです。
 そこでは冒頭に書いた台詞が平然と吐かれ、「拷問」が行なわれ、三食の確保すら難しい地獄の釜が開いています。別に一切を誇張して書いてはいません。信じられない人も居るだろうし、数は少ないでしょうが、その地獄から生き抜いた人ならば、また外傷を抉られるような思いをするかも知れません。

 ですが、折角の本作を観た機会、ということで書きます。

 結局、児童養護施設で行なわれている虐待を周知したいのではなく、こうしたことを書くタイミングが欲しかったのだろうなぁと自分でも思います。

 本作、『トガニ 幼き瞳の告発』が本国である韓国で上映された後、全国で署名運動が起こり、児童虐待の厳罰化を図る「トガニ法」が制定されました。その背景には各地の良識ある大人や、直接に施設で児童に関わった教師の義心があります。
 こういうと語弊があるかも知れませんが、未だに裁判が行なわれている本作の児童虐待の被害者たちは、運が良かったのです。
 個人的に今年のベスト3に挙がる映画『ヒミズ』(自分の感想はこちら)の主人公、住田祐一も施設外ではあるものの、社会という地獄に押し潰されつつある存在でした。ですが、彼には茶沢景子という善き協力者、常軌を逸した行動に対するストッパーが居ました。『トガニ』の児童たちにも、数は少なけれど、直接的/間接的に救おうとしてくれる協力者が居ます。

 そうした協力者、良識ある大人の存在を身近に欠いた子供たちはどうなるのでしょうか。

 具体的に言うと、懇親野球大会でミスをした児童は金属バットで大腿骨にヒビが入るまで殴られ、1日3食の内2食は上級生に差し出さなければならず、脱走して捕まると、拷問部屋みたいな物置に連れて行かれ、パイプ椅子や木刀での殴打を受けます。施設から学校に通っている以上、学校では名前ではなく「○○施設の子」と呼ばれ、休日には早起きをし、近所への風体を保つためゴミ拾いや草抜きをさせられる。

 別に大したことない、と思われる向きもありましょうが、そういった人を納得させるのが目的ではありませんし、「トガニ法」ではありませんがこの記事を通じて少しでも何かを変えられたら、という惰弱な気持ちで珍しく書いているので、そこは主観の違いという便利な言葉で収めたいと思います。

 ただ、こうした児童虐待は1回2回で騒ぎ立てられるものではなく、日常的、恒久的に続いているものであるとは理解していただきたい。
 そして、上に書いた殴る蹴るは基本コースであり、読者を最低な気分にさせないために抑制して書いた氷山の一角です。
 この地獄には獄卒は居ても仏は居なかった。中学生が小学生に対し、いきなり「わしのチ○ポしゃぶれ。出来んのならカ○ワにするで」という光景のどこに救いがあるのか。閉所恐怖症の児童を押入れに詰め込んで半日間放置したり、全裸にされて玄関の前に整列させることを「ただの遊びだろ?」「いたずらにいちいち傷付くなお前は心が弱いんじゃ」で済ませる大人しか居ない場所のどこに光条があるのか。

『トガニ 幼き瞳の告発』の最後には少しだけのカタルシスがあり、何となく「良いものを観た」という安い気分に落ち着かせる演出があります。

 実話を基にしているとは言え、フィクションだからな。
 
 現実の地獄には、確かに稀に蜘蛛の糸が降りてくることはあります。ですが、それに縋るものは一様にカンダタ扱いで、人間としての尊厳を斟酌されることは無い。
 奇跡的に蜘蛛の糸を登り詰めた人間に対しても、自殺や反社会組織に堕するといった地獄や、血の繋がらない親からの新たなる虐待という別の地獄が待ち受けていたりします。
 児童相談所、役所、警察署といった箱物はそれらに対する抑止力にはなりません。むしろ、「別に君はグレていないんだから虐待というのは誇張表現だろう」といったロジックで、冷笑気味に扱われ、或いは「お前が親孝行じゃないのが悪いんじゃ」と詰られたりします。

 自分の文章力と枯れた精神ではこの程度しか書くことは出来ませんが、こうしたことを書く切っ掛けを与えてくれただけでも本作は観る価値がありました。
 地獄から生き抜いてきた、生き抜いてしまった子供や元子供には、同情や実の無い言葉を与えるよりも何をすべきか、少しでも考えていただければ幸いです。


トガニ: 幼き瞳の告発トガニ: 幼き瞳の告発
孔 枝泳

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コメント
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はじめまして

トガニを観て調べていたらここを見つけました。私はドキュメンタリー好きで、こちらの孤児院の話が気になります。

私は素直に見てしまい疑うことをしない性格ですがこの話は許せないです。

子供のこれからを奪う施設なんてほっとけないです。


20130526 00:01 │ from ムーンURL

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