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『プロメテウス』 人類の起源は恐怖の起源と同じくして - 1953ColdSummer

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『プロメテウス』 人類の起源は恐怖の起源と同じくして


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プロメテウス
PROMETHEUS
2012/アメリカ PG12 監督:リドリー・スコット 出演:ノオミ・ラパス 他


 残暑などと、涼しさが訪う前フリのようなことをおためごかされているが、まだまだ暑いものは暑いざんしょ。
 暑いと人間はどうなるか。
 まず、外出すれば熱中症で死ぬるし、水分を切らすと脱水症状で死ぬるし、また気温35.6度不快指数89がかの芥川龍之介を服毒に追い詰めたのは有名な話だが、世の中は暑くて気が違えたら自縊を選ぶ人間ばかりだとは限らず、諸肌を脱いで扇子をぱたぱた振るっておったら、扇ぎ来る風は熱風だし扇子を振るう反復運動が体温の上昇と発汗を招いているということに気付き、その衝撃と酷暑についに脳の大切な線が、ぷつん、て切れて、扇子を長ドスに持ち替えてぞめき歩いておったら官憲に連行され、「太陽が眩しかったから」などと読んだこともないカミュの一節をつぶやいた挙句精神鑑定に回されたりするのである。

 かように惰弱なデザインを施されたにんげん、ひとという生き物の、宿業、宿命に業腹となったわたしは、「『人類の起源』を検索してはいけない」というキャッチコピーに人間の惰弱さを紐解く鍵があるのではないのかとアタリを付け、そのコピーを用いた映画、『プロメテウス』を観ることにより、リドリー・スコットが久しぶりに撮ったこのSF映画から謦咳に接するべく、扇子をぱたぱたしつつぞめいて先行上映をしておる映画館へと向かったのである。

 結論から言おう。

 人類の起源。はは、人類の起源。位階序列的には人類の終焉と同じくされると思われるこの謎が、冒頭10分で明らかにされたのには、何か、こう、倒叙モノのノワールを読んでいる感覚というか、100円で投げ売りされておった古本のミステリをぺらりと捲ったら犯人の名前に赤線が引いてあったときの脳味噌の灰色が徐々に赤く染まっていくに連れる凶悪な気分というか、そうした呪いの炎が胸中にめらめら燃え盛り始めたのだが、首を360度ほど捻ってよくよく考えてみれば、ああ、これが、人類の、起源、なのね。じゃあしゃあないか、って、達観の念がにょらにょら胸中の消火活動を行ない始め、というのも、その昔、大陸の公孫龍子という詭弁家はひとつの指を指して「これは指だ」と言ってはいけないよ。何故ならば他の指が指でなくなるからだ。と無知を鞭撻しておったが、ドリスコ監督が「これが人類の起源だ」っつってるからにはそうなんでしょう、それが人類の起源ということで間違いないのでしょう、と、軽々しく唾を吐こうとするのがキレる10代、20代、30代なんて揶揄される若者たちの病理であり、病根である。夏という名の灼熱地獄から映画館へと駆け込み、冷風送風機の前の席で冷や奴になっておる乃公には心の余裕があった。なんつと超越者のようであるが、これは本作を観終えた今だからこそ自覚できた中観派の屁理屈のようなもので、最後の最後、人類の起源が、同時に◯◯◯◯◯の起源でもあった、という事実が明かされたる後、最早、避暑のためなんて根本的始動因はどうでもよくなって、作中の調査団の愚かな行ない、調査船と遺跡を行き来するだけのプロット、愚民よ衆愚よさあ解釈しろとばかりに放り投げられた数々の謎、すべてを汲むことが出来たのである。

 世界中の遺跡にとある共通のサイン(壁画)が発見され、それを根拠にLV-223という惑星に向かったら恐怖が待ち受けていた、というお話。

 本作の情報が出回り始めたころには散々喧伝されていたと思うのだが、本作は某作に続く映画で、いつから緘口令が敷かれたのか、もしくはそれを口にした者は抜け忍扱いされて刺客に斬られるのかは知らぬが、何時の間にか、ちょっと言い淀む、それを言ってしまうとネタバレという錦の御旗のもと私刑にされる、てな状況になっており、映画ファンども、じゃなかった、映画ファンたちの社会主義化を深刻に感じもするが、一応、本作は本作で独立して楽しめる映画ではあるし、シリーズ化も決定しておるとの話である種のリブート、として観ても良いのではなかろうか。

 あと、こういうときにだけ個人主義を持ち出すのも逃げの一手のようで気が引けまするが、ごく個人的に、きゃっ、と、両拳を口に当てて可愛く叫んでしまったえぐいえぐいえっっっぐーーーい切株描写がありましてな。女性の方なら経験上だいじょうぶ、とか見慣れている、なんてケースも有り得るかと存じますがわたしはもう腹ボテに関するアレコレが弱点なので、顔面蒼白、目はスクリーンに釘付けになれど、脳内ではモルモット牧場を経営している牧歌的な未来などを想像して、くだんのシーンが終わるまで耐えた。はは、元々のネタが男根、女陰、妊娠恐怖をモチーフとして敷いたものであるのだから、当然本作にもその陥穽は仕掛けられてあると読むべきだったね。自分の愚昧さ、浅薄さ、覚悟の無さすべてに腹が立つが、調査船の名前にもなっているプロメテウス。プロメテウスっつーのは猿みたいな人間に火と文明を与えたギリシャ神話の一柱で、それが乗組員のアンドロイドにまつわる行ないの暗喩ともなり、文明を発展させた交尾つまり男根と女陰の遠回しな比喩でもあり、人類の起源に関する機嫌の良い洒落でもある。そこなひとつを指してえぐいえぐいえっっっぐーーーいって深窓の令嬢ぶるのはやめにしませんか、そろそろ。私。

 ノオミ・ラパス、マイケル・ファスベンダー、シャーリーズ・セロン、ガイ・ピアースなどそれぞれがひとつの映画の主役を張れる颯爽たる面々を揃えた映画なのだが、宇宙船と遺跡、基本的にこのふたつを舞台とした密室劇であり、また陰影の濃いカッチリした幾何学的なインダストリアル・デザインも手伝って、良い意味で各々の個性が抑制されておる。つまり、誰がどういう場面でボディ・カウントされるか予測し難いということで、さらに死に方も多種多様。首チョンパ、顔面溶解、焼殺、他にもちょっと公には言い憚られるような方法で、景気よくおくたばりになりやがられます。「人類の起源」を探求するということはこうした惨たらしい最期も視野に入れねばならんかったほどの大罪なのか、と、都合よく無神論を振りかざすわたしなどは思うのでありますが、クライマックスの豪快な一発が、無神論から創造説という学説の変遷、ないしその間で揺れる人間単位のアイデンティティのエクリチュールとも受け取れて、ふむふむ腕を組んでいたら最後のナレーションがものっそいファンサービスで、そこから朔及してあれもこれもファンサービスだったなぁと考えが変遷、にやにや映画館を後にしたらすでに夜で、明日もまだまだ暑いざんしょ、と伸びをして帰途に就いた。


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Dark Knight Rises Prometheus: The Art of the Film (Film Tie in) Amazing Spider-Man Men in Black 3 Battleship

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あなたの考えが知りたいの

はじめまして。ここに映画「プロメテウス」について、知恵袋の質問URLを貼ります。あなただったらどう答えるのか教えてください→http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1393344578

20120901 19:26 │ from 藤井美菜URL

Re: あなたの考えが知りたいの

「それが『100億光年の彼方』でも『はるか遠い宇宙』でも『また別の銀河系のお話』でも問題ありません」と答えます。空想科学に映画外の現実に即した根拠と数値を求めたいのなら、両手の指を使って必死に計算している人間よりも柳田理科雄先生辺りに訊ねてみて下さい。としか。

20120901 20:12 │ from トップダラー禍津URL

プロメテウスすき(*´ω`*)

プロメテウスすき(*´ω`*)

二度見て理解できた。w アンドロイドのラブコメなんだな。w

20150313 14:55 │ from プロメテウスすき(*´ω`*)URL

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20120904 11:51 │ from 映画感想 * FRAGILE

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