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現代に遺るホロコーストの傷痕 『サラの鍵』 - 1953ColdSummer

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現代に遺るホロコーストの傷痕 『サラの鍵』

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サラの鍵 
ELLE S'APPELAIT SARAH
2011/フランス G 監督:ナジル・パケ=ブランネール 原作:タチアナ・ド・ロネ 『サラの鍵』


黄色い星の子供たち』(自分の感想はこちら)に於いても悲劇的・非人道的・非戦に非核、非常事態には「お・か・し」の心得(犯さない・噛み付かない・死なない)だっ、とばかりにナチス台頭時のケオティックの一端として描かれた、ユダヤ人一斉検挙ヴェルディヴ送りから始まるラララ心の旅。収容所送り→脱走というパターンを踏んだサラというユダヤ人少女と、現代のビジネスウーマン、あっビジネスウーマンって使っちゃいけない言葉だったっけ、じゃビジネスをするウーマンであるアメリカ人女性、ジュリアの物語が交互に描かれる。ははは、君は気が触れたようなことを申しておるが、競輪場から遁走をした少女と、報道社会の一端を担う現役ぱりぱりの納税者との間にどのような関係があるというのだね。謡曲でも謡って落ち着き給へ。と仰る向きもあるかも知れない。まあ謡曲は好きなので謡うが、その過去と現在の関係性、サラとジュリアという女性の目線、それらの因果を解き明かすミステリ的なフックも本作には仕掛けられてあるわけ。ラララ、ララララ♪

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 現代パートの主人公ジュリアってえ人はジャーナリストだけあって、知的好奇心に火が点くと身体の中心が疼き始めるタイプの人であり、これはわたしの想像だが、たぶん日常生活でも気になることがあったら内股になって走り始めたりするのであろうと思う。で、ある日、ワガの住んでいるアパートに過去、収容所送りとなったユダヤ人家族が住んでいたという事実を知るところとなり、はは、ここで過去パートの主人公であるサラにまつわる事柄のあれこれを知りたくなって矢も盾もたまらなくなり、関係者の感情などを忖度することをせず、ずかずかとサラという少女が辿った人生を暴いていくわけなのでありますが、その壮絶、人生という苦み走ったエキスを抽出して砂糖を少々、其を密封した後三日三晩寝かしたが如き運命を結句知ることと相成って、ユダヤ人少女の激動がジュリアにこれ憑依、ワガの人生を改めて見つめ直すという、新規の視点を授かることとなる。

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 文字に起こしてみるとこれは『嫌われ松子の一生』なんかにも似た、あの人のルーツを知ろう、巡行しよう、そして人間的にステップアップしてやる、DAN!! といった、亡者の過去を知ってどこがどのようにステップアップしたのか極めて把握し難い、もしくは、その、ひとつの、行為、だけを以って、ステップアップ、と仰る? と言いたくなりそうな「あの人を知る話」なのであるが、『嫌われ松子の一生』が松子おばさんの個人史を巡る話だったのに比べ、本作『サラの鍵』は、フランス政府が率先してユダヤ人をヴェルディブ収容所送りにした暗黒の歴史に切り込んでいく、或いはフランス製映画として自己言及を行なう、といったスケール感の大きいものなので、何となく大義をかざされているような気になり、錦の御旗を振られているような気にもなり、歴史という濁流の中では貴様如き所詮雑魚よ。釣っても食えぬ魚よ。君を魚に例えたのは右から左へ流されていくその自我の無さを揶揄したものでもあるけどね。くわっぱっぱっぱ。などと罵詈を浴びせられたような気にもなり、海へ還りたくもなるのだが、魚と言えども命はあるんです。現代アメリカ人だろうが過去のユダヤ人だろうが命はあるんです。収容所で事切れた多数の命。そして、劇中、ジュリアの中に授かった新たな命。サラの家族が連行される折、納戸に隠した弟の命。その命のイコンである納戸の鍵。その鍵を握り締めたサラが辿った人生。多数の命と、個の命が交錯する本作には、作劇上のモブにも確りとした人生があったことを否が応にも意識させてくれる。

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 スマートフォンやゴスメイクなど、現代パートには「現代」を強調する要素が多々出てくるし、過去パートには収容所のタコ詰め状態や、脱出後の水浴びの幻想的なシーンなど散文的な描写が多く見受けられる。だが、飽くまでこれは現代人によって撮られた映画であって、当然、現代人の視点からでしか「過去」を解題することは出来ない。だが、現代にもホロコーストの爪痕は生々しく遺っていて、サラという少女は歴史に翻弄されたまま、時代から姿を消す。そして、ジュリアのある決断が、サラを再び現代へと蘇らせる。命の円環。うむむ。


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