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『アメイジング・スパイダーマン』 傷だらけの身体をスーツで隠して - 1953ColdSummer

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『アメイジング・スパイダーマン』 傷だらけの身体をスーツで隠して


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アメイジング・スパイダーマン
THE AMAZING SPIDER-MAN
2012/アメリカ 監督:マーク・ウェブ 製作総指揮・原作:スタン・リー 原案・脚本:ジェームズ・ヴァンダービルト


 今年は以降、『ダークナイト・ライジング』『プロメテウス』『アベンジャーズ』『エクスペンダブルズ2』などと大作続きであって、乃公耐え難きを耐え忍び難きを忍び、労働をサボタージュ、赤信号を無視、夜も寝ないで昼寝をするなどして時間を捻出、鬼に逢うては鬼を斬り、仏に逢うては仏を斬り斬り鑑賞に赴く予定なのであるが、まだまだ公開まで日にちがあるし、はは、ま、大丈夫でっしゃろ、と天竺鼠の背中を撫でつ安心しておったら、口火を切る『アメイジング・スパイダーマン』は先行上映、もう明日にも始まるよ、てな事実に思い至り、何が明日じゃ、俺たちに明日はないんじゃ、ぼけぇ、と、割と平気で人を殺しそうな思念で頭が満たされたので、あぱぱぱぱ、って叫びながら家宝の村雨を振り回しつつ『アメイジング・スパイダーマン』を観に行ってきたよ。

 リブート作品、ついでに監督が、自分があまり好きでない『(500)日のサマー』(自分の感想はこちら)のマーク・ウェブであるということも手伝って、一抹の不安が百抹の不安くらいになって実体化、緑色の汁をどろどろ垂らしながらこれ鑑賞、ふむふむしながら観終えたのであるが、結果、乃公の脳内の廟議は一決を見たのである。

 前シリーズよりも原作に近しくした、というのは「アメイジング」と題名に冠されておることからも容易に分かる。キルスティン・ダンスト即ちMJがリストラ……というか、「未登場の人物」として居なくなっており、替わりに主人公ピーター・パーカーの初のガールフレンド、グウェン・ステイシーが登場し、これをエマ・ストーンが努めておるのだね。で、たぶん、これは、わたしの、憶測に、過ぎないと、思うのだが、実はマーク・ウェブはスパイディーの世界に於いて『(500)日のサマー』をもう1回やりたかったのであろうと感じた。
 前シリーズのピーターは根暗というか盆暗というか、比較的救われない感じの若者像であったのに対して、本作のピーターは学業に容貌に正義感に優れ、幼少時に両親が謎の蒸発を遂げたという過去こそあるものの、そこは演じるアンドリュー・ガーフィールドの人間力(にんげんちから)でフォロー、飽くまでマーク・ウェブが構築したかった世界観を壊さぬように表現が抑制されておる。ピーターが変態みたいな蜘蛛男のコスプレをしていないときの時間のたゆたいやらうつろいは、完璧に監督にコントロールされておって、何か、もう、嫌々蜘蛛男のコスプレをさせられているピーター・パーカーといった印象も拭い切れない。が、そこら辺は解釈の予知は広かろうと思う。リアルなスパイディースーツで自警団ごっこから始めるという「映画内のリアル」は、マーク・ウェブの若者恋愛観や日常感から派生したものであるからして。

 ほで、ほで、懸念しておったアクション・シーンであるが、これは懸念しておった自分が阿呆のように感じるほどナチュラルかつダイナミズムにあふれ、アクロバティックでネクロマンティックである。ひとつ嘘を混ぜてみました。ほで定番のビルとビルの間を連続ブランコですり抜ける描写、乃至戦闘シーンなどは嫌味の無い3Dでさらっと仕上げてあって胸焼けや頭痛、喉の痛みに優しいものとなっており、本作のヴィランであるリザードの描写なども、その嫌らしい鱗、知性を感じさせない目、ぬぷぬぷした蜥蜴の尻尾切り、ああおぞましい、といった方向に統一されておって良く言えば分かりやすく、悪く言えば淡白である。

 それでも、結句、何故わたしとこの映画の間に齟齬が生じたか。

 この噛み合わなさを考えるに、やはり立ち塞がってくるのは『(500)日のサマー』であり、マーク・ウェブ流の「リアリズム」であって、んじゃ、あなた、さっきから歯に物が挟まったような言い方ばかりしているけど、はっきり言いなさいよ。といった向きのためにはっきり言うと、その『(500)日のサマー』で培ったリアリズムはほんわかほわほわした机上の阿波踊りの如きもので、スパイダーマンという空間的なヒーローを語るにしては文脈が断絶しておるよ、ということを申し上げたい。はな、ピーター・パーカーはスパイダーマンであるワガの正体を隠すということに無頓着で、救助した子供やヒロインその父親に至るまで正体が広く知られ、挙句それが本筋に如何程の揺さぶりをかけても居ない。この事例ひとつ採ってみてもマーク・ウェブがスパイダーマン・パートを簡素に事務的に撮ったかが推察できようというもので、なのに学園パートっていうかぶっちゃけピーターとグウェンのカンジョウノキビっていうんですか、コイノカケヒキっていうんですか、そこらの描写は情熱的でねちっこい。アクションの水準は確かに高いのだが、それより高いのが日常感なのであるな。

 だが、サム・ライミ版の手首の謎の穴から糸を発射する、という描写に生理的嫌悪を覚えたのか、本作では自作リストバンドから糸を発射するようにしておるなど原作への目配せもかなり意識され、マーク・ウェブの文脈上に紡がれたスパイダーマンならでの息遣いや優しさも感じるには感じる。スーツを脱いだ傷だらけの身体を見るに至っては、無言の感動がありましたね。まあ、リブート1作目ということで、続編に期待しろ続編観に来いよ絶対といった投げっぱなしの伏線もあるのだが、期待して待っていようと思いますよ。


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20120629 11:48 │ from 映画感想 * FRAGILE

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