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『永遠の僕たち』 死を思い、死に関わって、死なんとする - 1953ColdSummer

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『永遠の僕たち』 死を思い、死に関わって、死なんとする


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永遠の僕たち
RESTLESS
2011/アメリカ G 監督:ガス・ヴァン・サント 製作:ロン・ハワード ブライス・ダラス・ハワード 他


 ポプラの髪飾りを付けた生娘から口に漏斗突っ込まれて、卵と砂糖が入念に練り込まれた生地をストロベリーシロップで口腔の奥に流し込まれたような気持ちであったので、わたし、死ぬんじゃねえのか、と思って、慌ててラーメンとすき焼き丼を食し中和に成功した。だって、たった一度きりの人生、スイーツを喉に詰まらせて悶絶死するとか悲しすぎるじゃないですか。あ、これ映画の話ね。『永遠の僕たち』ようやく観てきたんだけどね。

 ひととして、にんげんとして、最もキラキラしている時間、なんてものがあるじゃないですか。それが作中に「固有の時間」を持つ映画という媒体ならば尚更で、キラキラしている時間、だけ、を、切り取って、でっち上げられた作品なんて幾らでも思い当たるし、それらが換喩法的に発展した作品群に、前述のわたしの如き胸焼けを覚えた人だってたくさん居るかも知れない。

 ところで、まあ、キラキラしている分には本人は楽しいし幸せなのだろうが、蝋燭の消える前の一燃えとはよく言ったもので、キラキラ感、それが若人の発するものなら特に、断絶の予感が付きまとう。この断絶の文脈というやつがクセモノで、キラキラするのにも飽きたからキラキラを止めよう、程度なら可愛げがあるものだが、それが、キラキラたる基本表現(コード)の断絶となってくるとちょっと洒落にならなくなり、それ即ち、コードの枢軸である人間、命の断絶に繋がることとなる。

 かの有名なるスクール・シューティング、コロンバイン高校銃乱射事件をもキラキラした作品(『エレファント』)として世に問うたガス・ヴァン・サントの新作、『永遠の僕たち』は、それはもうキラキラしておって、乃公の如き汚れた人間が観ると目が潰れ喉を掻き毟りたくなるような出来であるのだが、辛うじて目を潰さず喉も掻き毟らずに済んだのは、本作には常に「死」を思うこと、GOTHのこころが根付いておったからである。

 デニス・ホッパーの忘れ形見ヘンリー・ホッパーが演じる主人公、イーノックは、事故によって両親を喪い自らも臨死体験を経て、見ず知らずの他人の葬式を冷やかしに行ったり、墓地巡りをするのが趣味のあまり健全でない少年になってしまった。
 ミア・ワシコウスカが演じる少女アナベルはボーイッシュで愛想良く、恋愛に興味津々な魅力あふれる少女。だが、その背景には癌で余命3ヶ月だという重すぎる事実がある。
 加瀬亮演じる日本兵の亡霊ヒロシは、臨死体験を経たイーノックにしか視えず、2人でやる戦艦ゲームでは連戦連勝で、イーノックの良き友人として現れたり消えたりする。

 三者三様に、「死」に関わり、「死」を思い、「死」に接する。

 ミア・ワシコウスカは、髪型をベリーショートにしただけで『アリス・イン・ワンダーランド』のときとは打って変わって、ずいぶんと顔から険が取れて見える。でも相変わらず眉間にしわを寄せ気味だったのだが、それがちょっと不思議ちゃんテイストを醸し出しておって、そうした抽象作用をも鑑みるにナイスキャスティングであったと思うのだね。
 また、時代背景も明らかにはされておらず、トラッドではない普遍的な価値観、例えば、個人の死生観であるとか、難病を患った人間の思いの丈であるとか、若者同士に芽生える愛情であるとか、そうした普遍性を帯びた感覚にサラっと訴えかけたところも――やや過剰気味ではあるが――分かりやすい。亡霊ヒロシが神風特攻の前に記した愛の手紙を見せるところなぞは、正しく時代性に左右されない愛情のイコンとして作品の文法上に組み込まれておるのである。

 つらつらと書き連ねたが、この『永遠の僕たち』には、「死を受け入れろ」とか「死に抵抗しろ」といった主体は実は存在せず、じゃあ主題はどこにあるのかというと、元々は3つの脚本であったという本作が掲げる「死」のイメージをどれか採択しろと、そういう部分にあるのだと感じる。美しい場面は「死」を際だたせるため、平易な語り口な「死」を採択するに邪魔にならないため、そうしたコンセプトありきで作られている……というのは、穿ち過ぎであろうか。

 日々を生きるに当たって創意工夫、研鑽努力、馬耳東風を心がけているにも関わらず報われぬまま「あ~死にてえなあ~」などとこぼしておる乃公は本作を観、キラキラしておらぬ自分を深く恥じ、安易に死にてえなどと口にする風潮に腹を立て、上半身をはだけて抜刀、日本刀を振り回すなどしてみたのだが一向に日々がキラキラする様子が見えず、三島由紀夫なんかもそうだったのだが、やはり「死」を覚悟してからこその日々が輝いていく様、なんてのはあると思う。そこを上手く切り取って額縁に飾れるのが映画の偉いところで、その概念上にしろ、「死」に触れてみる覚悟を持って日々生きて行けば蒙を啓かれるのかも知れないと思いました。


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