外壁塗装 東京

『モンスターズ/地球外生命体』 切り取られた異常事態下の日常 - 1953ColdSummer

1953ColdSummer ホーム » スポンサー広告 » 映画 » 『モンスターズ/地球外生命体』 切り取られた異常事態下の日常

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



『モンスターズ/地球外生命体』 切り取られた異常事態下の日常


mtgs1.jpg

モンスターズ/地球外生命体 
MONSTERS
2011/イギリス G 監督:ギャレス・エドワーズ


 映画の題名というものは極めて曖昧/恣意的で、それが作品に対する第一印象となるにも関わらず、非常にヌルッとした、掴みどころの無い題名であることが多い。
 例えば、『第9地区』(自分の感想はこちら)なんかは、ほんのりとSF的なフレーバーを漂わせつつも、その実、ヨハネスブルグとエビ宇宙人とパワードスーツのしっちゃかめっちゃかであることは想像し辛い題名であるし、『ハンニバル』だと、カルタゴの将軍を主人公とした史劇であると勘違いした人も100人中1人くらいは居るであろうし、『羊たちの沈黙』に至っては、「沈黙」だからセガールだね! と、安易に決め付けて、いつになったらセガール出てくるのかなーと思っている内に映画が終わってしまった、という人もまあ1億人に1人くらいは居るんじゃないのかな。
 兎角、この映画の題名というやつは、いつか一稿を割いて論じねばならぬ相手だと思っておる。

 で、『モンスターズ/地球外生命体』である。
 これは低予算、アイデア勝負を売りにしたイギリス映画で、なんと、監督のギャレス・エドワーズは、次回のハリウッド版『GODZILLA』の監督へと抜擢されておる。
 そんな前情報を得て前頭葉の方にぽわわ、ぽわわわ、と幸福感を感じ、パンダ柄の座布団を新調、これに座して、さあ、モンスターズ(怪物群)という題名に相応しい、どのような破壊劇、背徳的な負の愉悦を見せてくれるのかな、ウフフ、ウフフフ、とゆらゆらしておったら、始まるはのっけからのPOV描写。乃公はおほっ、と飛び上がり、もう一度、おほほっ、とほたえた。

mtgs2.jpg

 NASAの探査機が地球外生命体のサンプルを採取することに成功したのだが、地球へと帰還する途中に何がどうなったかメキシコ上空で大破、ぶち撒かれたサンプルは増殖、進化し、メキシコ国境付近がモンスターの横行する危険地帯として隔離されるようになった――というのは、冒頭、字幕で簡潔に説明される。
 数年後、アメリカはメキシコとの国境付近に万里の長城を築き上げ、無差別爆撃などを繰り返すようになっておった。そんな混沌たる情勢の中、現地を取材中のカメラマン、コールダーに、社長令嬢であるサマンサを護衛してアメリカまで送り届けろという指令が下る。そして、2人のデンジャラスな旅路が始まるのだが……。

mtgs3.jpg

mtgs4.jpg

 まあ、結論から言うと、最初のPOV戦闘やモンスターが暴れるシーンの如きケレンのある描写はごくごく一部で、特に、モンスターの描写なんかはチラリズムに留められており、話の支点としては、ロード・ムービー、ロマンスの方に重きを置かれておる。とは言い条、モンスターが暴れた跡と思わしき破壊痕や、この世界の情報を観客に知らしめるチップとしてのラジオ放送、所々に立てられた看板や注意報など、世界観の構築にはかなり気配りがされており、ディテールから怪獣映画を読み取る、つまり怪獣大暴れのダイナミズム以外の文脈から映画の意図を汲む、といった趣の人には満足いただける出来になっておるのではなかろうか。

 本作が描いておるのはモンスター・ディザスターに晒された非日常ではなく、モンスター・ディザスターの中、どう生きるか、どう行動するか、という点に焦点を絞り込んだ「日常」である。ガスマスクを装着し無邪気に遊ぶ子供たち、非常警戒体制の中でもがめつく金銭を搾り取ろうとするボート屋の親父、そして、おのれら、何スカしとんねや、こるぁ、と空中に手刀でツッコミを入れたくなるような、主人公であるカメラマンと同行者の社長令嬢の軽妙かつ洒脱な会話のやり取り。こうした「異常事態下の日常」を観ている内に、ふと気付いたんだ。ああ、この映画に出てくる怪獣はマクガフィンに過ぎないんだって。

mtgs5.jpg

 確かに派手で豪快な作品ではない。が、入念に下調べをしたと思われるロケーション、観客の想像によって補完させようとする断片化した情報、何よりも、主演2人の、お互いに想い人はいるはずなのに旅路を共にしていく上でどんどんひかれ合っていく様子、などが、ええとこれをストックホルム症候群などとのたまって切り捨てるのは勝手だが、まあそれらが主軸として、作劇の上で欠かせぬ要素となっておる。もう少し、お互いが恋に落ちる様子を描けば尚説得力は増していただろうと思われるが、短尺の映画であり何よりも逃避行という縛りがあるので、そんなゆったりとしたことは出来なかったのだろう。こうして考えてみるに、本作の主人公は「人」や「怪獣」という位相ではなく、一定の条件下で送られる「日常」そのものであったとの答えに導かれる。
 どうだろう。中々に欺瞞的な映画であるが、その欺瞞に与することに不思議と最悪感は感じない。日常なんて欺瞞に満ち満ちているものなのだから。


モンスターズ / 地球外生命体 [Blu-ray]モンスターズ / 地球外生命体 [Blu-ray]

スカイライン -征服- Blu-ray デビル [Blu-ray] ドライブ・アングリー [Blu-ray] ハンナ [Blu-ray] 復讐捜査線 [Blu-ray]

by G-Tools


モンスターズ / 地球外生命体 [DVD]モンスターズ / 地球外生命体 [DVD]

スカイライン -征服- [DVD] デビル [DVD] 世界侵略:ロサンゼルス決戦 [DVD] デビルクエスト スペシャル・エディション [DVD] ハンナ [DVD]

by G-Tools




関連記事
スポンサーサイト



コメント
非公開コメント

トラックバック

http://d1953coldsummer.blog64.fc2.com/tb.php/759-1c3db726

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。