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『リアル・スティール』 やがて父子に宿る、鋼の絆 - 1953ColdSummer

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『リアル・スティール』 やがて父子に宿る、鋼の絆


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リアル・スティール
REAL STEEL
2011/アメリカ G 監督:ショーン・レヴィ 製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ/ロバート・ゼメキス他 原作:リチャード・マシスン『四角い墓場(Steel)』


「りゃりゃりゃ、りゃりゃりゃ、たわけとったら殺すぞ、あほんだら」
「あぱぱ、あぱぱぱぱ、ほたえて死ぬのは、おどれの方じゃ、こるぁ」
 などとおそろしいことを言い、また思念しながら、半裸になって相手の顔面を殴り合うこれまたおそろしいスポーツがあって、ええとこれをボクシングというのだが、このボクシングの経験者はというと、鼻がいい具合に曲がってしまったり、パンチドランクでちょっと乱心のような喋り方になってしまったり、ブログで人生相談を始めるなど、その末路たるや凄絶の一言に尽きると聞く。

 だが、少しく待っていただきたい。

 やりたい人間が居て、観たい人間が居るからこそ、ボクシングという興行は成り立つのである。
 むかし、週刊ゴングのアンケートで、「もし観客が一人も居なかったらどうするか?」という設問があって、誰とは言わないが、ぐうたらなレスラーなどは「試合せずに帰る」みたいなことを答えていて、まあそりゃそうだ、蓋し正論である。と納得した。客も取らずにストイックに強さを求めるいい年こいたおっさん、なんてのは宮本武蔵か餓狼伝の世界の話であって、口に糊することもせずにダメージを負い続けるなんていうのは、やや浮世離れした文脈である。
 やりたい人間の供給、観たい人間の需要、をこれ満たしてこそのスポーツであり、格闘技なのである。そして、どんな凄絶な末路が待っていようが、夢を捨て切れない、浪漫を追い続けたい、ついでに蝶々も追い続けたい、ボクシングをやりたい人間は存在する。

 本作、『リアル・スティール』は、人間同士がどつきあうボクシングが衰退してしまった世界――原作では違法になってしまった世界なのだが――を舞台に行われる、ロボット同士がどつきあうショウビジネス、ロボット・ボクシングを描いた作品であり、王道的な敗者復活劇、父子の物語でもある。

 落ちぶれてポンコツロボットを使ってドサ回りを続けていた元ボクサーのヒュー・ジャックマンが、唐突に現れた息子を人身売買したり、窃盗を手伝わせたりしていく内に、ストックホルム症候群、じゃなかった、父子の絆の何たるかを確かめ合うようになっていき、拾われたロボットATOMを通じてロボット・ボクシングの世界に挑戦していくお話。

 ヒュー・ジャックマンが、ダメ親父というか、割と人間のクズであるということを除けば特にヒネリもなく、トンチも利いていないのだが、その分非常にストレートなお話になっておって、熱血、スポ根、感動の3点セットをきっちり描いており、何も足さなくて良く、また、何も引いてはならない作品になっておると個人的には感じた。

 で、男の子なら気になって仕方がない、肝心要のロボットのインダストリアル・デザインなのであるが、レガシー・エフェクツ社の職人たちがチームを組んでデザインに当たったというだけあって、これがまたバタ臭い、野暮ったい、イイ感じに熟れたデザインなのである。
 作中、ノイジー・ボーイなる日本製のロボットが出てくるのだが、これがまた、もののふ然としたデザインで、身体中に漢字を書きまくっており、更には両の腕には電光で「男子」「拷問」「贖罪」「極楽」などの文字がペカペカ点滅するというステキ仕様なのだが、これを見て「やっぱり日本製はいいよ!」と少年に言わしめるセンスこそが重要なのである。で、まあ、紆余曲折、というか、ぶっちゃけヒュー・ジャックマンのせいでノイジー・ボーイは無残にも破壊されるのだが、このとき取り出した音声認識システムが物語の味噌となっているところが心憎い。

 ほで、ゴミ捨て場から拾ってきたロボット、ATOMに音声認識システムが搭載され、ここから改造、訓練、ダンス、などが始まっていくのだが、本作の重要な点として、ロボットそれ自体には自我というものが無いことを挙げたい。ロボットは飽くまでロボット・ボクシングのための道具であり、ロボット・ボクシングは父と息子の絆に帰結するものであって、決してロボットの主体性が云々というお話ではない。なまじATOMのデザインが愛らしく、その動きがひょこひょことしたものであるだけに、ATOMがお喋りしたりカマトトぶったりトランスフォームしないのが残念、という向きもあろうが、そこは割り切られている。ここは評価が大別される部分であろう。

 そんなATOMも試合に出場するようになるのだが、このロボット・ボクシングというやつは、かなりえげつないのであるな。首は飛ぶわ腕はちぎれるわで、もうちょっとしたグラン・ギニョール。闘っているのは人間じゃないんだからいいじゃん、てな、ブチ殺しているのはゾンビなんだから年齢制限はいらないよ! みたいな屁理屈があるのだろうし、あって然るべきなのだが、本当、殴り方なんかもえげつない。コーナーに追い詰めて頭を何度も何度もガンガン殴ったりね。ボクシングというか、UFCに近しい興奮を観客は味わっているのではなかろうか。

 とは言い条、試合は迫力があって良いものだし、フィギュアとCGとモーション・キャプチャーを組み合わせたその動きは至極自然であって、それが作中の観客の熱狂っぷりに紐付けられているという点は巧いと思う。
 しいて不満を挙げるとすれば、この競技に参加するロボットの基準が曖昧であったところが釈然としなかったのだな。どこまで改造してもOKなのか、またサイズや重量に制限はないのか。だってラストで闘うゼウスなんて、明らかにATOMの1.5倍はボリュームがあったし(当社比)、頭が二つもあるロボットも出てきたし……そこら辺のディテールはもう少し詰められるかなぁとは思ったし。プラレス3四郎やプラモ狂四郎をちょらちょら読んでいた世代を嘗めていただいては困る。が、爪もヒゲも無いヒュー・ジャックマンに免じて細かいことをごちゃごちゃ言うのは止めておこうと思う次第。


リアル・スティール-オリジナル・サウンドトラックリアル・スティール-オリジナル・サウンドトラック
ダニー・エルフマン サントラ リンプ・ビズキット ライヴァル・サンズ アレクシ・マードック バッド・ミーツ・イヴィル ビースティ・ボーイズ フー・ファイターズ 50セント ザ・クリスタル・メソッド feat.イェラウルフ エミネム feat.ネイト・ドッグ


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リアル・スティール (ハヤカワ文庫NV)リアル・スティール (ハヤカワ文庫NV)
リチャード・マシスン 尾之上 浩司

運命のボタン (ハヤカワ文庫NV) 冷たい方程式 (ハヤカワ文庫SF) 時間の種 (創元SF文庫) リアル・スティール (角川文庫) 闇の王国 (ハヤカワ文庫NV)

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リアル・スティール/戦うことを、あきらめない。

リアルスティールReal Steel/監督:ショーン・レヴィ/2011年/アメリカ ヒュー・ジャックマンがものすごいダメ親父です。 JUGEMのブロガー限定試写会で見てきました。まことにどうもありがとうございます。 リチャード・マシスンの短編小説「四角い墓場(Steel)」...

20111214 12:45 │ from 映画感想 * FRAGILE

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