外壁塗装 東京

狼さんは誰ですか? 『赤ずきん』 - 1953ColdSummer

1953ColdSummer ホーム » スポンサー広告 » 映画 » 狼さんは誰ですか? 『赤ずきん』

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



狼さんは誰ですか? 『赤ずきん』


akzkn1.jpg

赤ずきん 
RED RIDING HOOD
2011/アメリカ/カナダ G 監督:キャサリン・ハードウィック 製作:レオナルド・ディカプリオ他 主演:アマンダ・セイフライド


 本当はグロいグリム童話、だの、本当はエモい日本昔ばなし、だの、そういうのが流行っていた時期があったでしょう。わたしも多分に洩れず、世界残酷物語、とか、本当は怖いなんたらかんたら、とかを読み漁り、真っ暗な部屋の中で、おほっほ、とほたえていたものだが、その頃のことを思い出すと、顔を真赤にし、指をチョキにして隣人の目に突っ込みたくなる。

 そうした、◯◯は実は◯◯だった、という説話を今でも素直に受け止め、人に言い触らしたくなるような気持ちになるかと問われれば、いいえ、と答えざるを得ない。平新皇将門公は鬼だった、源九郎判官義経は大陸に渡りチンギス・ハーンになった、明智十兵衛光秀は南光坊天海として生き延びた、オッゲ(OK)、いいでしょう。でもホロコーストはあったし、日本は原爆を落とされたのである。近代史が得た現代性には常に物証、論証、挙証がつきまとう。その中を生きている自分たちにとって、◯◯は実は◯◯だった、なんて話は小児病的過ぎるのだ。これを称して、「嫌な大人になった」とも言う。

 そもそも、桃太郎が虐殺をしたとかシンデレラの姉が足を切り詰めたとか、もう散々消費され尽くして、安酒屋でもお目にかかれないお話ではないか! 誰でも知っている話に、変なリアリティを与える遊びは結局バブルだったのだ!

 かような時代に作られた映画として、本当は恐ろしい白雪姫、『スノーホワイト』なんてあまり面白くない映画も存在したのだが、今回お話をしたいのは、カエル顔の新星、アマンダ・セイフライドが主役を演じる『赤ずきん』のお話。

akzkn2.jpg

akzkn3.jpg

 タイトルこそ『赤ずきん』なのだが、内容はダークファンタジーというかトワイライトというか、あ、監督が『トワイライト』の人なのね。とにかく、寓話を換骨奪胎、脳内変換、得手勝手にした挙句、印象としては『スリーピー・ホロウ』に近しくなっている、との評をちょこちょこ見る。そのGOTH感覚に共通するのは、不安定にゆらゆらと揺曳する人間ならざるものの恐怖であろう。

 人狼に生贄を差し出すことでどうにか平和を維持してきた寒村。だがある満月の夜、主人公ヴァレリーの姉が人狼に喰い殺されるという事件が起きる。裕福な家の息子と幼なじみの間で悩んでいたヴァレリーは、駆け落ちをも考えていたが、この一大事に踏み止まる。
 やがて、人狼への復讐に立ち上がる村人たち。だが、そこに人狼狩りで名を馳せたソロモン神父がやってきて、「人狼はこの村の中の誰かだ」と断言する。疑心暗鬼に陥る村人たち。そんなとき、再び人狼が村を襲撃し……。

akzkn4.jpg

akzkn5.jpg

akzkn6.jpg

 この疑心暗鬼の人狼ゲームに関しては、丁寧に伏線を追っていけば自ずと誰が狼さんなのか分かる仕組みになっているのだが、果たしてフーダニットを考えるだけで良かったのかなぁ、というのが正直な気持ちである。この作品は幾つかの便法で覆われていて、そのひとつに魔女狩りがあるのだが、ちょっと知恵の遅れた村人を拷問し、狼に咬まれたからという理由で平気で部下を殺すソロモン神父の存在など、考えさせよう、考えてくりゃれ、といったシーンが頻出する。『トワイライト』の監督の分際で、あっ「分際で」なんて言っちゃ失礼か、とにかく『トワイライト』の監督のくせに、そこで用いられる便法には『トワイライト』に見られた怠惰、放埒、小粋ぶり、なんてのは目につかないのだ。

 狼さんのお腹に石を詰めて川に沈めました、って有名なシーンを、叙情を用いず手ぶらでなぞっている。「お婆ちゃんのお口はなんで耳まで裂けているの?」の問答を、あっけらかんとやってみせる。そこに本作の央点があり、傾いだ評価軸がある。

akzkn7.jpg

akzkn8.jpg

 シニフィエに気が利いた映画、とはお世辞にも言い難いが、そんな本作をダラーっと観ることができたのは、アマンダ・セイフライドの雪原に映える赤頭巾の美しさと、彼女自身の素晴らしさが大きな部分を占めていたのだろうと思う。
 例えば本作の主人公がシェリー・デュヴァルであったとしたら、まあそれはそれで楽しいかも知れないが、このリリカルな世界観とは浮いた異物として観客の目から排除されるであろうことは容易に推察され、世界観の統一に欠けておると揶揄されるであろうことは間違いない。で、別にシェリー・デュヴァルに恨みは無いのだが、やはりこの寓話のリリックの異奏はカエル顔のアマンダ・セイフライドにとって、幸福な表徴の合致と言えるだろう。

 願わくばもっといたぶられるアマンダさんが見たかったなぁ。


赤ずきん ブルーレイ&DVDセット [Blu-ray]赤ずきん ブルーレイ&DVDセット [Blu-ray]

マイティ・ソー ブルーレイ&DVDセット [Blu-ray] メカニック ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産) [Blu-ray] ロシアン・ルーレット ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産) [Blu-ray] ヒア アフター ブルーレイ&DVDセット(2枚組)【初回限定生産】 [Blu-ray] SUPER 8/スーパーエイト ブルーレイ&DVDセット [Blu-ray]

by G-Tools




関連記事
スポンサーサイト



コメント
非公開コメント

トラックバック

http://d1953coldsummer.blog64.fc2.com/tb.php/745-5f74ddb6

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。