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繋いだこの手があるから 『アベックパンチ』 - 1953ColdSummer

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繋いだこの手があるから 『アベックパンチ』


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アベックパンチ 
2011/日本 PG12 監督:古澤健 原作:タイム涼介 『アベックパンチ』


 人込み、というものが嫌いである。
 とは言い条、人込みが好き、なんてのは痴漢かスリくらいのものであろうと思うのだが、とにかく乃公は人込みというものが嫌いなのであって、満員電車に乗っては悲鳴を上げ、人気ラーメン店に入ってはほたえ騒ぐなどをし、何度か危うく、黄色い救急車が迎えに来るところであった。

 これは映画館に向かったときなども同様で、映画の日に代表される割引適用日などは、もう映画を観る前から頭痛胃痛、幻覚幻聴にわけのわからない関係妄想なども絡んできて、ああ、空いているといいんだがなぁ……と思いつつ館内に入るとすでに人間がたくさん居たりして、この愚者、愚物、腐れたわけにうつけ者っ! と怒鳴り散らし片っ端から平手で頭を叩きたい衝動に駆られ、それを抑えるのに必死になっておるのだが、特にイオンに入っているシネコンなんかだと、もう人・人・人の洪水。この閑静なる岡山のド田舎のどこにこれだけの人間が潜伏しておったのかっ! と、ぴょこぴょこと人を避けながらそう思うのである。

 こうしてお互いの体に触れぬよう、気を使って、ぴょこぴょこと人を避けて歩を進めるに当たり一番の難敵は、カップル、昭和的な言い方をすると、アベック、というツガイなのである。
 これの何がタチが悪いかというと、まず二人だけの世界に淫しており、視野狭窄に陥っているが挙句、対面から人が来ても避けようとしないのがタチが悪い。次に、そのトロトロとした歩行速度、牛歩を以て何ら恥とせずといった周囲に対する配慮の無さがタチが悪い。で、一番タチが悪いのは、手を繋いでいる確率が非常に高いことである。手を繋ぐ。はは、いいでしょう。ほとばしる若さの証、特権。お互いを信じ合い、愛を確かめ合う露骨な性感情の表徴である手繋ぎ。はは、いいでしょう。でもね、そうやって手を繋いでかつ横に広がっているとね、実質三人分くらいの道幅を占拠していることになって、その牛歩を追い越し辛くなるんだ。これは全然よくない。もうちょっと、さ、お互いに密着してくれないかな。もしくは、駅弁ファックスタイルで歩いてくれないかな。それ以上我が道を邪魔すると殺すよ。

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 ……と、のたまった口で何だが、『アベックパンチ』を観たのである。
 男女が手を繋ぎ闘うという設定の架空の格闘技『アベック』を扱った映画なのだが、原作は未読で、ぶっちゃけた話、ぶっちゃけると、ぶっちゃければ、武田梨奈ちゃん目当てで観たのだが、いい感じにスカされた。

 お話はもう王道。道端で因縁付けた『アベック』のチャンピオンに逆にKOされてしまった勤労学生(チンピラとも言う)が、ふとしたことからトレーナーにスカウトされ、『アベック』の王者を目指す。
 で、紆余曲折を経て大会ということに相成るのであるが、はは、この大会……というか、アクション・シーン自体がとても少なくて(全部合わせて20分くらいしかないのでは)、そこに怪鳥音、飛び交うヌンチャクに十字剣、血と汗のセネステジアなどを期待すると、はは、己が浮き川竹の辛い映画鑑賞ライフを後悔することになる。要は、ね。プロセスの話なのじゃよプロセスの。『アベック』大会(≒アクション)なんてのは結果でしかないわけ。そこに至る過程、男女手を繋いで参加という特異性から生まれるドラマ、チャンピオンを倒すという目的の外在化から発生する無理筋、そこらを見つけられる目敏さと、それらをまとめて頬張ろうという貪欲さを持ってして鑑賞すればいいんだ。あ、ちなみにこれ、面白さが不自由な映画を観るときのわたしの鑑賞姿勢なんだ。

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 ここでひとつ特筆すべきが、『アベック』の最大の特徴である、「繋いだ手が離れたらハンドオフで負け」というルールの存在である。

 面白いのは、繋いだ手が最大の弱点であると同時に、最大の攻撃手段とも成り得ること。繋いだ手から放たれるダブルパンチはチンピラをいともたやすく倒し、『アベック』選手すらをも恐れさせる切り札として用いられること。ここがやはり漫画的というか、勝負過程の意味の背任を一発で引っ繰り返すことができるジョーカーとして『アベック』にスリリングなゲーム性をもたらしている。そこにはやはりパートナーへの信頼や友情といったエクリチュールの臭さがあるのだが、シラケを感じさせない辺り、スポコンとしての山あり谷あり、本来のパートナーとの別離、なんてものを前菜として詰め込んだ甲斐があったというものであろう。

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 映画に対する味蕾が敏感になってくると、やたら理屈付けたがる、解題したがるといった困った症状に冒されがちになってしまうものだが、さにあらず、x軸とy軸の中に描写せしめられしものをただ観て、ははは、はははは、わお、なんて言っている内が一番楽しいことは重々承知ではあるが、ことに付け、かかる作品に何か言いたがってしまうのが映画ファンの宿痾である。
『アベック』の舞台となるリングもx軸とy軸で構成され、それを観る体として興行たりえているわけなのだが、そこにもうひとつの軸を付け足すのが、映画作家の仕事なのか、映画を観た人間の仕事なのか、時折考えこんでしまう。その点、繋いだ手から放たれる『アベックパンチ』は原作者と映画作家が付け足した軸であり、試合に至るまでの青春、スポコンに主軸を置いて観てしまうのは映画を観た人間の判断である。
 こうした不安定、不安感を払拭するために、作り手と受け手が手を繋がねばいけない場合もある。映画を媒介としたアベック。はは、誰に向かってアベックパンチを繰り出すのか。


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