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『インモータルズ -神々の戦い-』 RAGNAROK ――神々の黄昏 - 1953ColdSummer

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『インモータルズ -神々の戦い-』 RAGNAROK ――神々の黄昏


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インモータルズ -神々の戦い-
IMMORTALS
2011/アメリカ R15+ 監督:ターセム・シン・ダンドワール 衣装デザイン:石岡瑛子


 『ザ・フォール/落下の王国』のターセム監督が、『300〈スリーハンドレッド〉』の製作スタッフと組んで贈るスペクタクル・アクション。
 ギリシャ神話を題材に採った映画ということで、前日、夜なべをして段ボールで作った剣と盾を持ち、勇者のコスプレをしてシネコンに向かったのだが、警備員に「それを装備したまま入館することまかりならぬ」と言われ、泣く泣く入り口の脇に剣と盾を置いて行って鑑賞した。帰りには、やっぱり盗まれていたよ、剣と盾。夜なべをして作ったのに。

 それはそうと、金ピカでマッチョで表現主義的で、爽快な映画であったとわたしは思うな。

『インモータルズ』なんて、陰毛を連想させる表題とは裏腹に、脛毛、腋毛、無駄毛の処理を施した美肌な神々が、はは、敵を、串刺しにしたり、頭を、粉砕したり、格ゲーみたいな、蹴り投げをしたり、するのだな。あ、最後の30分の話ね
 だが、そうしたグラン・ギニョールは本編を通して貫く文脈で、テンションが奔騰する戦闘シーン以外でも、喉を掻っ切る、舌を切り落とす、金玉を潰す、人間を蒸し焼きにする、顔面を切り刻む、メガ津波が被災地を襲う、等々、あらゆる方面に向けて不謹慎を各種取り揃えてみました、かの如き残虐の品目に唯々舌鼓、ドレやクリムトの絵画にも似たキンキラキンでツイステッドな画作りと相まって、早々に「ああ、これは神話じゃなくて映画なんだ」という理解への道筋を指し示してくれる。故に、本作を観て、ギリシャ神話に忠実でないぞ、此は如何なる禍事ぞ! と、ほたえ騒ぐ人は、食う寝るオナる以外の人生を損していると言えよう。

 そして、『レスラー』のイメージもいまだ強いミッキー・ロークの怪演である。
 彼が演じるイラクリオン国王ハイペリオンは、古代ギリシャにチャールズ・マンソンが居たら、というイメージを元に演出され、その暴虐邪智、タイタン族を復活させる様子などから、暴力的なテロリズムの体現者として現代に置き換えることもできる。だが、ハイペリオンがただのアパパとして描かれていないところがミソで、アパパどころか思慮深い、ともすれば人生哲学的な言動を取るかしこであるところに、暴力とピクチャレスク美学のかくも幸福な融合を見た。

 彼の魔王、ハイペリオンの侵略に立ち向かうのは、主神ゼウスの落とし子(隠し子とも言う)、テセウスである。
 テセウスというのはクレタ島のラビリントスでミノタウロスを倒し、アリアドネの糸玉を手繰って脱出したことで一般的に有名な勇者である。本作でテセウスを演じるのは、スーパーマンの新作『マン・オブ・スティール』でのスーパーマン役に抜擢された若手ヘンリー・カヴィル。何かヘルレイザーの『ヘルワールド』にも出ておったようだが記憶に無い。本来ならエピロスの弓を用いて活躍するはずが弓は奪われ、じゃあちょちょっとクライマックスで活躍しようかとしたらそのシーンを神々に奪われたかわいそうな人でもある。

 こうして敵と主人公を並べて紹介してみたが、これが全然対称を成していない、非対称な存在であることにお気付きいただけたであろうか。

 このいびつさが本作の賛否を分けているところで……まあそこに神々とタイタン族が乱入してきて混沌を極めることになるのだが……前作『ザ・フォール/落下の王国』のときも思ったのだが、ターセム監督は、こうしたいびつさと偕老同穴を誓っているのではあるまいか? 
 ええとわたしは3Dで観たのだが、2Dで観たら安っぽい学芸会みたいに見えるのではないのかと心配してしまうような幾何学然としたセット、カッチリとしたカメラワークに、石岡瑛子デザインのオリエンタルなのか笑いを取りたいのかギリギリな衣装。これらのアーティスティックな側面、ガワが、逆説的に構造のいびつさを強調してしまうのだ。
「抜かしおる。尊公はそう言うが、それこそがターセムなにがしの作風ではないか」と言われればその通りで、グゥの音も出ない、いやグゥくらいは言えるけど、言ったら言ったで殴られそうな気がするが、この点が遠近の無さにも通ずる不安感を持つターセム作品を判断する重要な点であらしむるとわたしは思う。
 次回作は『Miror,Miror』白雪姫の話らしいので、そのファンタジスタとは上手く調和するのでは、と考えたりもするのだが。

 神話という最も人口に膾炙したファンタジー、寓話を語る、或いは騙るのはとても楽しい。「神話」というだけで、ホラ話に正当性が与えられるからだ。
 人体破壊とそれに伴う残酷美の極北を示した本作は、れっきとした現代性を持った神話であり、グラン・ギニョールである。整列させられ目だけをギョロギョロ動かし、ラストで解放されるタイタン族を見よ! ミノタウロス退治になぞらえられた牛甲冑の戦士との闘いを見よ! 神話が伝え聞かされるものであるのと同様、本作もまた見世物としての映画の本質を突いているのだ。


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