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『チョコレート・ソルジャー』 呑め! 蹴れ! 飛べ! でもメロドラマはやめるんだジージャー! - 1953ColdSummer

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『チョコレート・ソルジャー』 呑め! 蹴れ! 飛べ! でもメロドラマはやめるんだジージャー!

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チョコレート・ソルジャー 
RAGING PHOENIX
2009/タイ <未> 監督:ラーチェン・リムタラクーン 製作:プラッチャヤー・ピンゲーオ 主演:“ジージャー”ヤーニン・ウィサミタナン


 酒は狂い水、般若湯などと申して、これを呑むとたいへんに愉快/楽しい気分になり、そんな愉快/楽しい気分がそうさせるのか、奇行に走る人も少なくはない。具体的に言うと、ゴリラがくしゃみを堪えたような顔をして嘔吐物を撒き散らす、かと思えば修士論文の仕上げに向かうようなキリッとした真顔で、でも下半身は裸で、陰茎を上下にブラブラさせながら深夜の公園で懸垂をする、などである。こうした傍から見るとちょっと近付きたくない人、自分の人生の路地に佇んでもらいたくない人をいとも容易くえげつなく量産できるのが酒精のおそろしいところで、何と言われようが酔い喰らっている本人たちは愉快/楽しい気分であり、シラフの人とは見えている世界が違うので、これを破折屈伏するのは難しく、それこそ酒精の力を借りなければやっとれんわ、この野郎、という悪循環をも引き起こしてしまう。

 下戸、ではないのだが、いわゆる酔わない体質というやつで、わたしはあまり自主的に酒を痛飲することはないのだが、先に述べた酒精で愉快/楽しい気分になっている人にまつわる民話、伝承、創作まで否定するほど偏狭ではないし、素戔嗚尊は酒で酔わせて八岐大蛇を退治したのだし、チャールズ・ブコウスキーは酒の力無くしては数々の名著を記すことはできなかったのだし、力道山光浩は酒の席で暴力団員に刺されたが、生き延びたのである。

『チョコレート・ソルジャー』だけど、これが酔えば酔うほど強くなる~という「泥酔拳」を扱った映画で、原題は『レイジング・フェニックス』でありながら、映画祭では『ジージャー:頑固に、美しく、猛々しく』などとわけのわからん邦題を付けられ、結局、ジージャーの前作『チョコレート・ファイター』にあやかって『チョコレート・ソルジャー』というタイトルに落ち着いたのだが、当然、前作とは内容は関係なく、ジージャーが匹夫がホップするとかいう音楽に乗って闘ったり、酔拳の真似事をしたり、うんこ酒を涙目で呑んだりする映画となっておる。髪型をバッサリと変えた、でも童顔で割りと年齢不詳なイメージのあるジージャーのプロモーションとしても、まあ、成り立っておるのではなかろうか。

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 バンドでドラムを担当していたデューことジージャーが、男に裏切られ続けヤケクソになっておるところを誘拐組織に拉致られかけ、そこで助けてもらった盆暗風の男たちから泥酔拳を習い、誘拐組織ジャガー団を壊滅せしむるべく闘うお話。

 前作『チョコレート・ファイター』でのマジ当てバトル、キレキレのアクションから、本作にもかなりの期待が成されたであろうことは想像に難くない。わたしも早く観たいな~と海外版Blu-rayの購入を検討しておったところだ。で、日本では発表から2年遅れで、しかもビデオスルーというかたちでやっと観ることが叶い、褌を締め込み四方にお神酒を配し正座して鑑賞に臨んだのであるが……結果としては、両手を上げて称揚できるほどのものではなかったというか、非常に惜しかった。ジージャー、すごい。人命軽視のマジ当てアクション、すごい、カポエラやテコンドーを組み合わせた泥酔拳、すごい、とは思うのだが、前作に比べてややバジェットが加算された分、いらんとことにも力を入れすぎて、そこが自分には冗長に感じてしまったのである。

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 メインは人さらいどもとの闘いなのだが、これはジージャー以外の四人の仲間のアクションの素晴らしさも相まって、非常に見応えのある、げんこつせんべいで頭をかち割られそうな痛々しさが伝わってくる。だが、わたしが失意したのはメインディッシュである格闘アクション以外の部分……ドラマにも、中途半端に比重が置かれていたからだ。家族を失った者の感傷、いいでしょう。仲間に見切りを付けられたジージャーの少女らしい嗚咽、いいでしょう。そしていつの間にか芽生えていた幼い恋心……いいでしょう。よその映画でやる分にはね

 わたしはジージャーのキレキレなアクションが観たいのであって、取って付けたようなお涙はその欲求に相剋するものと断定する。そもそもがヒップホップと酔拳の組み合わせといった無茶や、少女であるジージャー(まあ実年齢は27歳なのだが)が短期間で強くなるという無茶に目をつむることができたのも、それがアクションと紐付けられるべくした設定だったからだ。お涙だけなら、祝箸で目玉をちょんと付けば莫迦だって流すことができる。この中途半端な成長譚(に見せかけた安いドラマ)を挿入した脚本の意図は、ジージャーのプロデュースにあったのか、はたまた尺を伸ばすための苦肉であったのか、判断に迷いかねる。

「私をお酒に例えると何?」
「辛口だ……だが実は甘く、人を虜にする」

 こんなやりとりをだね、わたしはジージャー主演のアクションで観たくはなかったのだ。しかもこの会話の相手、役名をサニムというのだが、これが髭面の極めてもっさい男で、ジージャーの恋の相手として、まあこれは印象論だが、ちょっと、どうだかねえ、と目を皿のようにしていたよ。

 でも、まあ、繰り返すがアクションは本当の本当の本当にすごいので、タイ映画にはこれからも人命軽視路線で突っ走っていただきたいものである(ジージャー以外の)。


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