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私を殺したのは恐怖の国のアリス 『ラビット・ホラー3D』 - 1953ColdSummer

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私を殺したのは恐怖の国のアリス 『ラビット・ホラー3D』


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ラビット・ホラー3D
2011/日本 PG12 監督:清水崇 撮影:クリストファー・ドイル 音楽:川井憲次


 ホラー映画、これ即ち、こわい映画、なんてことはいちいち言わんでも分かることで、これはもう女子供を泣かしてナンボ、野郎のふぐりを縮み上がらせてナンボ、という旧習的な価値観、前時代的な論理軸を墨守し、それを以てして成り立っておるジャンルである。
 だが、映画は商売である。様式に拘っておるばかりでは客足も遠のき、また、ホラーの「こわさ」なるものは自ら恃むものなので、これが他人(観客)に容喙されなくなったりしたら、映画作家として赤筆でバッテンを付けられるも同様である。
 そうした作風の停滞、凪を上手に避けているのが例えばスティーブン・キングなどという人で、この人は、レストランのボーイさんを見ては、レストランのボーイが唐突に気が狂って暴れだす話を書いたり、同級生にいじめられっ子がいた記憶を手繰っては、いじめられっ子がいじめっ子を念力で殺す話を書いたり、またそれらの着想をこの人たちから得ました、なんてことを平気で後書きに書くなど、前衛を務めるモダン・ホラー作家として並々ならぬバイタリティを発揮しておる。
 そんなこんなで、我が朝のホラー映画も、「Jホラー」などというパッケージに閉じられたままではなく、そろそろ、人でなしと言われようが人非人と言われようが、次なる一歩を踏み出すべきだと思うのだ。

呪怨』で「Jホラー」を全世界にあまねく認知させた清水崇監督の最新作、『ラビット・ホラー3D』は、激しい攻撃性を帯びながらも、見えない壁にドンドンとそれを打ち付けてしまうが如き、良く言えば王道、悪く言えば愚直、もっと悪く言えばネタがバレバレの映画であった。

 お話は、少年が学校で飼っている瀕死のウサギを石で叩き殺す場面から始まる。
 そして、その少年――大吾は、姉と一緒に映画館で3D映画を鑑賞中に、画面から飛び出してきたウサギのぬいぐるみをキャッチしてしまった。その日以降、大吾の周囲に異変が起こり始め、ウサギの着ぐるみを着用したウサギ人間にたびたび遭遇するようになる。姉であるキリコもそれに気付き、納戸に引きずり込まれ遊園地や廃病院が存在する夢の世界に囚われつつある大吾を救うべく奔走するのだが、絵本作家である父は、何故かキリコから距離を置こうとするばかりだった――。
 
 満島ひかり演じるキリコというキャラは、幼児期のあるショッキングな出来事から、口が聞けなくなってしまったという設定である。にも関わらず、キリコの心象は満島ひかり本人の声でナレーションとして被さるので、その話法というか語法というか、そうした短絡的な何かにまずは吃驚する。
 また、劇中劇というか劇中の映画館でかかっている映画は同監督の『戦慄迷宮』であったらしく(未見なので気が付かなかった)、その3D効果と、母体となる本作の3D効果、これを合わせて6D効果と言う……のかどうかは知らないが、全体的に3Dが意識され、撮影はもちろんのこと演技の角度や、配置された物の奥行きにまで詳細に目配せが行き届いた作品であるからして、「飛び出す映画内で観られている映画までが飛び出す」というちょっと異次元的な体験ができたのは良かった。

「恐怖の国のアリス」なんて惹句で売り込んでいる本作だが、はは、そうした字面上から連想されるゴスっ子の大冒険、を期待していると肩透かしを喰らうであろうことには留意していただきたい。
 父親と、その再婚相手が辿った運命を基軸に、本作は螺旋を描くように丹念に恐怖描写を積み重ねていく。それがまったく怖くないのが問題といえば問題だが、実際に螺旋階段や、校門から堂々と学校に入ってくるウサギ人間など、即物的な描写に躊躇の無い作品であるからして、これに対し憤慨するのは無粋というものであろう。何せ事の真相を知ったときにもっと憤慨することになるのだから。もう1000000回は観たよ、そのパターン! って。

 あと、意図されたものなのかそうでないのかは判断しかねるが、本作には映画の文法をわざと崩しているようなところがあって、例えばですよ、悲しい過去があったとしましょう。普通はですね、そんな悲しい過去を断片的にフラッシュバックさせたり、またワンシーン使って回想させたりするのだね。だが、本作では、そんな「悲しい過去」を、現在進行形で描いてしまうのだ。分かりやすく言うと、過去の回想シーンに自分が居て、いともたやすく介入できるわけ。にも関わらず介入しない、悲劇を食い止めようとしない、という辺りがオチへのちょっとしたフックになっているのだが、そうしたシーンは何度も反復されるので、もう少し穿った角度からも解釈はできるだろうと思う。つまり、恐怖よりも幻想的な意味合いが強い。

 口が聞けないという役柄の満島ひかりのエモーショナルな演技はその作風に応じたものだとは思うのだが、如何せん作品自体に漂う『世にも奇妙な物語』テイストがねえ……。


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