[PR] ヨガポーズ

DrasticDramatic

1953ColdSummerの雑文コンテンツ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  • |

    あまり怖くないのにゾッとする。それは何故か。『おろち』 (2008 / 日本 監督 鶴田法男 脚本 高橋洋 原作 楳図かずお)




    o1.jpg

     極めて昭和的というか、貧乏人がその貧相な想像力で思い描いたかのようなお金持ちの豪邸を舞台に、楳図かずお『おろち』の短編、『姉妹』『血』を原案とした悲劇が展開する。その内容が、これまた貧乏人が思い描いたかのような「金持ちめ! トンでもない不幸にあってくたばっちまえ!」という邪悪な妄想そのもので、かくしてここに和製GOTHの傑作が産声をあげたのであった。そう。わたしは本作を「傑作である」と断じよう。100点満点なら80点、☆5つが最高クラスなら☆4つ、望むのなら個人的に設立した映画賞の幾つかも与えよう。今ならオマケに野球の観戦チケットと洗剤もセットでプレゼント。兎角褒めても褒めても褒めたりないな……中越典子を延々と張り倒す木村佳乃の気違い演技は。

    おろち -楳図かずおの世界- (ShoPro Books)
    おろち -楳図かずおの世界- (ShoPro Books)小学館集英社プロダクション

    小学館プロダクション 2008-09-13
    売り上げランキング : 82363

    おすすめ平均 star
    star原作サイドのボリュームが残念・・・映画パンフレットの豪華版という感じ

    Amazonで詳しく見る
    by G-Tools


     「おろち」という人外の少女が見守ることに決めた門前家で起こる悲劇。それは、門前家の血を引く女性(ここ伏線)は、29歳になると額や手に鱗状の醜い湿疹が生じ、やがてそれは全身に広がり……というものであった。その死の運命に踊らされる門前家の姉妹が狂ってゆく様子を、おろちは観測し、ときには介入して物語は進む。狂気というものを計測できる装置があるのならば、その針は序盤からとっくに振り切れている。山本太郎以外のキャストの演技がやばい、顔がやばい、目がやばい。

    o2.jpg
    これが本当の「目力(メヂカラ)」だ。

     それにしても加藤保憲あ間違った嶋田久作の存在感はすごいなあ、というのは至極個人的な感想なので置いておくとして、高橋洋のチープ且つグラン・ギニョレスクな脚本の妙味もさることながら、谷村美月演じる真っ赤なコートのおろちの怪演や、もう悲劇以外の結末を予測することを許さない台詞回しが和製GOTHに相応な破片として散りばめられている。いい映画を撮る監督だなあと思っていたら『リング0〜バースデイ〜』の鶴田法男だったので複雑な気分になりました。

     で、この映画を語るに当たり、凡その人間が口にするであろう第一声は、「別に怖くない」であろうと思う。うん。別に怖い映画ではないんだよねコレ。にも関わらず、怖そうな雰囲気は全編を通して醸成されている。何故か。
     それは、カメラワークが古き良きゴシック・ホラーのそれを踏襲しているからだ。嶋田久作が殺されるシーンや、最後の中越典子の呵々とした哄笑。このように既視感あるシークエンスが上手に配され、映像の格調に一役買っているのである。極めて昭和的である、というのは舞台セットや服飾の雰囲気を形容した褒め言葉だ。ホラーというよりも、サスペンス的に映像と配役を決定した英断には喝采を送りたい。人体の破壊をダイレクトに見せるよりも、ヨソ行きな感じの「雰囲気美人」として見せるホラー映画は近年には珍しい。最後のどんでん返しはご愛嬌、ということで。

    おろち [DVD]
    おろち [DVD]木村佳乃, 中越典子, 谷村美月, 山本太郎, 鶴田法男

    TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D) 2009-03-21
    売り上げランキング : 1603

    おすすめ平均 star
    star楳図未体験でも
    star木村佳乃はこれほど美しかったか?
    star本質を理解している

    Amazonで詳しく見る
    by G-Tools






    ランキングに参加中。よろしければクリックしてくださいな。

    | 映画 | trackbacks:0 | TOP↑

    TRACKBACK URL

    http://d1953coldsummer.blog64.fc2.com/tb.php/71-12d08ba3

    TRACKBACK

    PREV | PAGE-SELECT | NEXT