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点かない灯り - 『独裁者と小さな孫』 - 1953ColdSummer

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点かない灯り - 『独裁者と小さな孫』


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裁者と小さな孫
THE PRESIDENT
2015(2014)/ジョージア/フランス/イギリス/ドイツ/PG12 監督/モフセン・マフマルバフ 出演/ミシャ・ゴミアシュヴィリ/ダチ・オルウェラシュヴィリ/他 
逃亡の果てに、
希望はあるのか



 地球上のどこにあるかも定かではない虚構の国家で、独裁者とその孫がたわむれに街の電気を点けたり消したりする。という秀逸な冒頭が、自分の中にほんの少しだけ、でも中枢的な部分に喰らいついて残っている、寓意とか浪漫を栄養素とする細胞を活性化させたような気がする。そして破綻に至る独裁体制。作中人物にとっては永遠に思える時間であっても、作外人物にとっては刹那の説明にしか過ぎない独裁国家の崩壊。OKマフマルバフ。独裁者とその小さな孫の逃避行に悲劇の影を見遣る、或いは喜劇の予感に胸を躍らせる、もしくは主眼は悲喜交々を超越したところにある、そんな陳腐な三択しか思い浮かばないのだけれど、とにかくOK,オッケ。事実、何度も暗殺されかけたあなたの映像と詩情を信じよう。だいたいモフ専を名乗るあなたを疑う余地などどこにもない。その証拠に見て御覧、この羊の群れの描写を。その牧歌的な情景と対を成す無政府状態の暴徒の群れの表情を。モフモフした生き物であろうが、ひと、にんげんであろうが、どこか、または何かに回収される事なんて本当は望んでいなくて、回収のための柵を作り上げた存在だけがその旨味を享受する。しかし、本作にてその旨味に舌を肥やしている独裁者が独裁者たる姿を活写されているのは冒頭からの僅かな時間に過ぎない。じゃあ残りは怒涛の羊でも映しているのか? というとそんな事もなく、柵を壊した人間たちの本能的な行動と、素性を隠しひたすら逃げる老人――もう“元・独裁者”という威厳すら失いかけている――とその美しい孫、荒涼とした自然が、この極東の島国に、寓意も政治も大衆も「物語」なんだよと映像を介して語りかける。クーデターからの逃避行に身を委ねた元・独裁者が売春婦に金銭を無心する、なんてシーンもあるが、こういうシーンこそが寓意と政治と大衆が三位一体となった「物語」であると感じる。これをお伽話に類する一夜の夢としないための手がかりを視聴者に得させるよう、独裁者と小さな孫の素性を知らぬ者、知っている者、双方にマフマルバフは恐らく実体験に根付いているのであろう生々しいやり取りを用意している。その意味では独裁者の物語ではなく市井の物語だと言えるし、最後に台詞を発したのが誰であったのか、何を言ったのかを鑑みれば、行き過ぎた権力は客体でしかないという当たり前のような、それでいて誰もが直視しない事実に我と我が胸を掻きむしられる。同時に、産まれた時から権力者の座を保証されていた孫の主体は、じゃあ何なのだろうと作中に幾度も挟まれるダンスシーンというヒントをろくに活用もできず考え込んでしまう。かつて黒板を背負った教師を描いたマフマルバフの次なる目配せ。左右どちらにも偏重しないその視線が次に視るものは何なのだろう。


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