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『グラスホッパー』 - 僕の孤独がバッタだったら - 1953ColdSummer

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『グラスホッパー』 - 僕の孤独がバッタだったら


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ラスホッパー
2015(2015)/日本/PG12 監督/瀧本智行 出演/生田斗真/浅野忠信/山田涼介/麻生久美子/波瑠/菜々緒/金児憲史/佐津川愛美/山崎ハコ/村上淳/宇崎竜童/吉岡秀隆/石橋蓮司/他 主題歌/YUKI/『tonight』 原作/伊坂幸太郎/『グラスホッパー』
あの日から僕は、
復讐することばかり
考えていました。



 ここ最近、最近って事は無いか、しょっちゅう身も心も荒ぶときがあって、近所の莫迦犬にはワンと吠えられ鴉には阿呆と鳴かれるなど禍事が続いたので、犬や鴉に出くわさぬよう細心の注意を払って映画館に出向き、券売機を日本銀行券で引っ叩いて『グラスホッパー』を観てきたン。

 久し振りの伊坂幸太郎原作映画、いや去年『オー!ファーザー』(感想)があったから久し振りって事も無いのだけれども、まあ微妙な間を置いての伊坂原作映画、それも中村義洋監督以外の、つう事で微妙な緊張感と腰痛に苛まれながら浅野忠信の仏頂面を堪能してきたのだが、いち伊坂読者として「映画化するために改変も致し方無かったのであろうなあ」と思うところと、「何この改変、人を虚仮にするのも大概にせえよ、餅でも鼻に詰めたろうかしらん」と思うところがあって、帰りに寄った支那そば屋で麺をちゅるちゅる啜りながら牛の如く反芻してみたのだが、どうやら自分としては、蝉(山田涼介)と鯨(浅野忠信)が殆ど鈴木(生田斗真)と交わらぬという大胆な映画的改変に特別もやもやとしたものを感じているのではあるまいかと結論した。あと、「ある可能性」の解釈の余地があった原作のラストも大胆に映画的改変しているところ。

 ハロウィンに沸く街並みを冒頭に持ってくる事で、群像劇として印象付けようとする手法は悪くない。人混みが椎茸の次くらいに嫌いな私としては吐き気を催すほどです。そしてそこで起こる大事件を経て喪はれる鈴木の婚約者・百合子(波瑠)。飛び交うバッタの大群に『エクソシスト2』のタイトル、じゃなくて、『グラスホッパー』のタイトルがイン。かっちょいい。で、本作は所々にバッタのどアップをインサートしたり、押し屋・槿(吉岡秀隆)にバッタの群衆相について真面目に語らせたりしているのですが、バッタである必然性をもう少し押し出した方がちぐはぐ感の払拭に貢献できたのではなかろうかと。まあそこは原作を読んでもあまり得心が行く部分ではなかったので、敢えて強調しなかったのだろうとは推察できる。

 ナイフ使いの蝉に自殺屋の鯨というそれぞれ脚本が一冊書けそうな濃度の高いキャラの物語と、主人公鈴木の逃走劇という三面作戦をやらなければいけなかったとは言え、本作は断片化し過ぎている。でも119分という制約はあれどそれ以下のランタイムで群像劇をやっている作品など大量にあるわけで、本作の物語の断片化と、最後のカタルシスの矮小さを擁護する言い訳にはならないと思うが、彼らの絡みを極力差し引いた分、断片化しているなりに小粒(キャラ単位)で光るものはあったように感じる。敢えて早回しを使わなかったという蝉のアクションや、鯨に襲い来るフラッシュバックに亡霊たちの描写など、そのまま突き詰めれば本当にスピンオフとして1本撮れそうであるし、がだけにコミック版『魔王 JUVENILE REMIX』の奔放・自由闊達に伊坂が喜んだというエピソードに連ねて、当初『グラスホッパー』実写化の方には乗り気でなかったという話に本作の縦横線の限界を告げられた気がするのだ。

 何も足さず引かずして映画化したならばそれはそれで文句が来るのだろうとは思うが、引き算で原作付きの映画を作る事の危うさと可能性が本作には同居している。描かれない、というにはあまりにもオミットされ過ぎな各キャラのプリクエルは、実は監督が続編『マリアビートル』の映画化権をすでに手にしていて、そちらで描くつもりなのではなかろうかと邪推してしまう。となれば最後のネタばらしも蛇足であるし無粋であったなあ、と邪推を根拠に妄想を繰り広げていてもこころ、たましいが群衆相に染まるだけなので、菜々緒の怪演と「鈴木イイイイイイイイイイ!」という絶叫を思い出しつつ、最後の蝉と鯨のシーンに少々ホロッと来た事もカミングアウトして、了。


グラスホッパー (角川文庫)グラスホッパー (角川文庫)
伊坂 幸太郎

マリアビートル (角川文庫) 魔王 (講談社文庫) ゴールデンスランバー (新潮文庫) ラッシュライフ (新潮文庫) アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)

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