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『まほろ駅前狂騒曲』 - オープン・ワールドまほろ町 - 1953ColdSummer

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『まほろ駅前狂騒曲』 - オープン・ワールドまほろ町


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ほろ駅前狂騒曲
2014(2014)/日本/G 監督/大森立嗣 出演/瑛太/松田龍平/高良健吾/真木よう子/本上まなみ/岩崎未来/麿赤兒/宇野祥平/松尾スズキ/岸部一徳/永瀬正敏/他 主題歌/くるり/『There is (always light)』 原作/三浦しをん/『まほろ駅前狂騒曲』  
バツイチ二人。その愛を、命がけで守れ、便利屋!


 ここに告白しよう。私はこの『まほろ駅前』シリーズに恋慕にも似た感情を抱いた、などと言うと「ああキッショイ。だいたい『まほろ駅前番外地』(テレビドラマ)は観ておらぬ癖にシリーズの愛好家を名乗るたぁ魔羅のふてえ野郎だ、死んで詫びい。熱烈なファンの皆様に対して腹かっさばいて詫びい。ああキッショイ」と嫌悪も露わに詰め寄ってくる向きもあるかも判らんが、前々作、『まほろ駅前多田便利軒』(感想)そして今作『まほろ駅前狂騒曲』を観るに私の胸中のほむらは鎮火する事を知らず、ベラルーシの628の村々を焼き尽くした業火のごときに心身をも焼き尽くさんとするのである。

 だいたい、パンフレットで「多田、行天に告白する!」だの煽っておいて、さらに松田龍平のインタビューで「……いかに多田がゲイなのかってことですよね。行天を好きすぎますよね(笑)」なんて発言を引き出しておいて、いやパンフ自体はシナリオが全収録された前々作のものに負けず劣らずカバー付きの豪華な作りなのだが、ここにブロマンスというレトリックを安々と踏み越えた非生産的妄想が働く余地のある事はあなた方の持つ100と8の煩悩が保証してくれるでしょう。

 が、然し、行天春彦とその娘との関係、新興宗教、バスジャック、等々、いささか散文めいた事案から事件を内包し、映画として通脈させる架空の「まほろ町」にこそ焦がれる主体と詐話がある。今回、迎春の坂道からその表情を見せるまほろ町には事件の予感が息づいており活気があり、多田啓介と行天春彦の主人公特待をもすら町内新春の一茶話としている。中々全貌を見渡せぬ都市が主格、というと『ドリラー・キラー』やら『カレ・ブラン』(感想)やら何やら穏やかでない映画ばかりを連想してしまうのは最早宿痾であるが、たまには「まほろ町」のような町と主人公の調和のアンチ・ヒーロー譚を自分に課するのも良い息抜きとなりましょう。

 多田と行天の掛け合いは耳目に楽しく、便利屋という職業ならではの洒脱さもある。が、先に述べたように本作はより一層箱庭として或いはサバービアンのエデンとしての「まほろ町」がデザインされており、それつまりどういう事かというと、町人の誰もが主人公であるという事で、決して便利屋二人組の特権が保証されるものではなくなっている。否、主人公コンビの面白さが引き算されたのではなく、他の登場人物に楽しさ洒脱さが足し算されたのであり、作劇として総合的に乗算され、行天の元妻が、新興宗教の代表が、裏社会の顔が、バスジャック犯が、行天の脳天にボールをぶつけたサッカーチームが、渋滞が、自転車通行者が、畑が、看板が、リス園が、それぞれに息吹いている。

 もちろん、行天の「何をしでかすか分からない」というパーソナリティにもフォーカスされており、それが娘との対面で混乱を極めのち、あるべき場所あるように落ち着くという調和も用意されているのだけれども、その調和ですらが克己に基いたものというよりも町の日常に回帰する文脈で淡々と流れ、最後には町が新春の表情以て観客にぺこりと頭を下げる。……この多幸感……町があって、住人が居て、ちょっと新聞沙汰になるような(しょうもない理由から引き起こされた)事件が起きただけなのに、この多幸感は何なのであろうか。

「日常系」というやつか。

 そうなのか? 『まほろ駅前多田便利軒』に比べてより「便利屋」が日常に溶け込んだこのまほろ町。特権的、時には強権的なヒーロー不在の町が不幸であると言い切れるだろうか?


まほろ駅前狂騒曲 (まほろ駅前シリーズ)まほろ駅前狂騒曲 (まほろ駅前シリーズ)
三浦しをん

木暮荘物語 (祥伝社文庫) まほろ駅前番外地: 2 (まほろ駅前シリーズ) 神去なあなあ夜話 まほろ駅前多田便利軒: 1 (まほろ駅前シリーズ) アイネクライネナハトムジーク

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20151110 14:57 │ from 藍色URL

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「まほろ駅前狂騒曲」三浦しをん

いつもの奴らがなぜか集結ー?まほろ駅前は大騒ぎさ!四歳の女の子「はる」を預かることになった多田と行天。その後なんとバスジャック(?)に巻き込まれることにー。 映画化、ドラマ化された、まほろ駅前シリーズの三作目です。面白かったです。 便利屋を営む多田と、多田の高校時代の同級生で現在はその便利屋に居候する助手の行天。 この無粋な男二人を軸に多彩なキャラクターの登場人物たちが物語を織りなして...

20151110 14:36 │ from 粋な提案

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