外壁塗装 東京

『記憶探偵と鍵のかかった少女』 - 寡黙をくれた君と苦悩に満ちた僕 - 1953ColdSummer

1953ColdSummer ホーム » スポンサー広告 » 映画 » 『記憶探偵と鍵のかかった少女』 - 寡黙をくれた君と苦悩に満ちた僕

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



『記憶探偵と鍵のかかった少女』 - 寡黙をくれた君と苦悩に満ちた僕

koktti11.jpg

憶探偵と鍵のかかった少女
MINDSCAPE/ANNA
2014(2013)/アメリカ 監督/ホルヘ・ドラド 製作総指揮/オリヴィエ・クールソン/他 出演/マーク・ストロング/タイッサ・ファーミガ/ブライアン・コックス/ サスキア・リーヴス/他 
真実を知りたければ、
思い込みを捨てろ。

記憶は嘘をつく――



 記憶ならび記録というものは恐ろしいもので、それはワガの人格・生活・行動・思想・特殊な性癖などが他人により規定されるという事であり、そこには慈悲や斟酌の一切は、まあ、たまにはあるかも知れないが、基本的に無く、しかもそれは暴力的なまでのバイアスを以て歪められ、主観が1でしかないのに対して客観はどこまでもいびつに膨張し続ける。
 勿論、こんな美味そげな題材をフィクションにまつろう方々が放置しておく筈が無く、記憶の維持を10分間に限定したり、記憶を勿体ぶってチラ見せしたり、果ては記憶自体を植え付ける、てな案配に様々に工夫された記憶のなにがしを観てきたような記憶もあるし、或いはそれも捏造された記憶かも知れないし、世界は5分前に構築されたものなのかも知れないが、されど秋風悲し五丈原、我々は記憶に基いて日々の糧を得、行動し、誰かの客体とならねばいけないのです。

 介入できない記憶を棒立ちで見るマーク・ストロングの姿を『ベルリン・天使の詩』のブルーノ・ガンツの姿に何となく重ねてしまっている内に、次々と真相へのヒントが開陳されていたというのは後で知ったのだけれども、そこに一抹の口惜しさを感じつつもナットクのひとことで我と我が身を御する事のできるコストパフォーマンスの良さは一体どこで身につけたものなのであろうやと自問自答してみるも、疑わしい記憶ばかりずらずらと並んでおるので「懐古」が絶対悪とされるような風潮に一石を投じるような真似はとても私には出来ないものだなぁと思い至りました。

 ペドロ・アルモドバルの助監督を務めてきたホルヘ・ドラの初長編。
 数々の凶悪事件を解決してきたサイコダイバー(記憶探偵)であるジョン・ワシントンの元に、ある日アナという16歳の少女の拒食症の原因を取り除いてほしいという依頼が舞い込んできた。自らもトラウマを抱えつつ少女の精神的外傷にダイブしたジョンが見たものは。
 10代の少女が踏み込んでしまいがちな陥穽にジョンは翻弄される。
 性的虐待、いじめ、殺人未遂、荒みきった少女の記憶に記憶探偵は探偵業のイロハも忘れるほどに感情を移入してしまうのだけど、業務にお節介や優しさ、自分のトラウマなどを交えて接してしまうと足を掬われるのはどこの業界でも同じ模様で、探偵はそうと気付かぬまま、或いは気付いていないフリをしながらある種の心理戦に王手をかけるべくいささか逸ってしまう。サスペンスと言うにはパズラー的な要素が強調され過ぎているし、ミステリと言うには既視感を払拭できない「解決編」を提示されるのだけれども、断片々々の情報とフィルム撮影のざらつきが観る者の「記憶」のどこかに紐付けて醸し出す不穏な空気と、ソフィア・コッポラが『ブリングリング』(感想)の資料を提示してくれたお陰で満場一致でアナ役にキャストされたというタイッサ・ファーミガのイノセントな雰囲気が、サスペンドの文脈に沿う依代としてあらざるべき場所へと観客をリードする。あらざる場所へとリードされたダボとして言上しますが、騙されまいぞと身構えていたのに手がかりを尽くスルーしてしまうという醜態を犯してしまったのは本作のオールド・スクールな撮影の美しさにも一因がありましたね。

「過去は復讐する」という言い草がある。
 過去に苛まれる者、苛みから脱出する者、お互いの手順に伴う手間暇と困難を同じ縄の両端持て対比させている本作ではあるが、苛まれる者同士であればアートめかしたドラマに、苛みから脱出する者同士であれば痛快なエンターテイメントになっていそうなところがやや興味深い。マイナスとプラスが共演するとサスペンスになった、という(本作に限った)事実を鑑みるに、その根拠はお互いが脳味噌に刻み込んだ、舌に乗せ込んだ「記憶」なのであって、そこで浮き彫りになるのはやはり過去軸に位置する出来事なんてものはアテにしてはいけない、てな反懐古の自己成立であり、過去に囚われた人間と前しか見ていない人間どっちが得をするか、て誰でも分かっているけど誰でも実行できないちょっとした皮肉であって、最後の「謝罪」は多くの人間が、振り向きながらするようなものなのだと渋い顔をして思いました。


ポスター アクリルフォトスタンド入り A4 パターンA 記憶探偵と鍵のかかった少女 光沢プリント
ポスター アクリルフォトスタンド入り A4 パターンA 記憶探偵と鍵のかかった少女 光沢プリント
写真フォトスタンド APOLLO
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools




関連記事
スポンサーサイト
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...



コメント
非公開コメント

トラックバック

http://d1953coldsummer.blog64.fc2.com/tb.php/1243-a93e157a

記憶探偵と鍵のかかった少女/超能力者VS天才少女

記憶探偵と鍵のかかった少女Mindscape/監督:ホルヘ・ドラド/2013年/アメリカ 「ねえお願い、『わたし』を助けて」 新宿ピカデリーシアター4、E-7で鑑賞。事前情報としては、ミステリーっぽい。っていうくらいでした。 マーク・ストロングが出ていることも、映画が始まってから知った有り様です。 あらすじ:記憶の中に入って問題解決します。 記憶探偵ジョン・ワシントン(マー...

20141003 11:46 │ from 映画感想 * FRAGILE

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。