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『渇き。』 - 心ない天使 - 1953ColdSummer

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『渇き。』 - 心ない天使


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き。
2014(2014)/日本/R15+ 監督/中島哲也 出演/役所広司/小松菜奈/妻夫木聡/清水尋也/二階堂ふみ/橋本愛/國村隼/黒沢あすか/オダギリジョー/中谷美紀/他 原作/深町秋生/『果てしなき渇き』 
愛する娘は、
バケモノでした。



「愛してる?」「ブッ殺す!」と冒頭に等しく聞こえてくるふたつの台詞。とても極端で対照的なことば。に、テツヤナカジマがテツヤナカジマである所以、しゃらくさいシンボリズムを嗅ぎつけて目鼻をひくひくさせてしまうのは杉花粉が止んだ今でも困りものではあるのだけれども、直後、ごろごろ転がる死体にオッ磯野たまにはやるじゃねえかと思いたるのも束の間、のち、脂ぎった暑苦しい役所広司の顔面が映画を支配していく。

 そんなことよりも小松菜奈ぴん萌へ~とか書いて本エントリを終わりにしたいというのは私の偽らざる本音なのであるが、まあ、本作で初めて女優業、ファム・ファタール役に挑戦したという小松菜奈っぴ演じる藤島加奈子。美しいでしょう。儚げでしょう。眉毛が太いところなんかがオヤジ好みっつうか特定の年齢層の男好きがしそうでしょう。ほで、小松菜奈ぴゃむには申し訳ないことこの上なく、心で泣いて言上奉りたいのだが、彼女が抜擢された時点で本作はやはり中島哲也映画なのであるなと吐息が漏れてしまって。


 予告で「七つの大罪」などと手垢にまみれくさった文言が挿入されている時点で覚悟完了しておったものの、兎角演出が古臭い。インターネット反懐古特警の諸志に取っ捕まったらばその場でバラされること請け合いである。カビが生えたような映画の埃っぽさではなく、80~90年代辺りのテレビコマーシャルに端を発したがごとき媚態に尚の事古さを感じ、小松菜奈ぴぇんが本作で映えるのもむべなるかな、そのお菓子系アイドルめいた容貌は、ゼロ年代以前を消費者として中途半端に過ごした世代にとっては、なまじ当事者であるが故に一層古臭く感じてしまうのである。

 あと、「空虚な」だとか「狂った」だとか「邪悪」だとか形容される人間が、矢鱈滅多らアハアハウフフ、きゃらきゃらけらけらと嗤い狂う描写もそろそろアップデートされるべきだと思うのだけれども、これは本作の暴力と死とヱロスの洪水に於いて、その映画の原罪をひとりの人間に背負わせるとこれはもう嗤うしかなくなる、泣いても愚痴っても怒ってもワガの実存が危ういことになる、がための攻撃的な感情の発露であると、わざわざ映画と関係のない文脈からこじつけがましい屁理屈を捏ね以て自分を納得させることも出来るが、映像屋としては観客にひなびた脳神経を使わせる時点で負けてはいませんか。原作の加奈子はもっと清楚でミステリアスなイメージだったのにと思わせる時点で、小説から想起されるイメージに映像が負けているとは思いませんか。と、映画を観るに割と要らん事を考えながら観ていたのに、体感時間が非常に長く感じられた。

 ほでも、「昭和」の名を冠するおっさんがバーサーカーと化して娘の謎に挑む、つう泥臭さには現世が神話に対等性を要求しようとする矜持と意地があり、泥濘を踏んで掘り起こしてこころとからだの救済とする暴力セラピーの知見がある。さんざゴタ踏んで訪った救いが「日常への回帰」ではなく、ワガの手によるワガの抹殺めいた自裁のひとつのかたちであるのは、園子温に対して中島哲也がメンチを切ったかのごときで原作のうつろとは違うアプローチの熱情が感じられる。

 不思議の国のサイコパス。穴が深すぎてずっと落ち続けている過程のさなかに手を伸ばしてくれる者も居なくば手を伸ばすつもりもない、てな特権性が異常者の孤高をいつだって保証しているものだけれども、それは性に抗えないオトコへの皮肉でもあり首肯でもあって要するに好きにせられという本能レベルでの違いを本作に見るのも自由だとは思うが、父娘の断絶を憐憫無くしてこれは同カテゴリ別ジャンルの生き物と提示するのは野獣の論理である。「日常」を記号化したアパパな若者たち学生たちに仮託しすっぱり切り捨て、『渇き。』なんつて句点まで入れて強調したバサバサ感を裏切るかのごときに汗まみれの顔や雨やプールの水中世界のシズル感を主張するのは世俗を捨てた人間の飢餓感を深く煽ることになるのであろう、作中の「ボク」が飢餓感を充足させようとした時にどうなったか、時系列を破壊せしめんとするスプリットは果たして時間を破壊出来たのか、飢えと渇きが最高潮に達したときに、中島哲也と深町秋生はにっこり笑って生肉を取り上げる。腹を満たした人間が物語の外で日常を送る手続きに手を貸す理由は無いからだ。


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