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市橋達也、最後の3年間 - 『I am ICHIHASHI 逮捕されるまで』 - 1953ColdSummer

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市橋達也、最後の3年間 - 『I am ICHIHASHI 逮捕されるまで』

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I am ICHIHASHI 逮捕されるまで
2013/日本/PG12 監督/ディーン・フジオカ 製作/中沢敏明 出演/ディーン・フジオカ/他 原作/市橋達也/『逮捕されるまで 空白の2年7カ月の記録』
僕は、「市橋達也です」と答え、逮捕された——。


 本作公開時、これの予告をFacebookやTwitterで口喧しく宣伝すると主にインターネットなどで500円で観られたらしいのだけれども、日本のモノヅクリについて考えたり、具体的に言うと、『たんけんぼくのまち』の主題歌を聴きながらチョーさんって今何しているんじゃろか、と思考を凝らしながら虚空をじっと見つめるなど非常に多忙を極めておったので、ソフト化された今、天佑、天佑とばかりにモノヅクリ精神をば放棄、店屋物のピッツァーラを頬張り口の周りをケチャップまみれにしてこれを観た。あっチョーさんは『猿の惑星:創世記』(感想)のシーザーの声などを当ててており、ご達者でいらっしゃいます。

 イッチーファンだのイチハシギャルだのとネット上でしか存在を確認出来やぬ囲いを生み出した市橋達也。その水嶋ヒロ似のルックスにコロッとやられた設定のパープリンを捏造してまでもネットを賑やかしたかったのか、わたくしごときダボにはその深慮遠謀を計ることはおぼつきませんが、はな、しつこくしつこく流れて来やる画像捏造真偽の疑わしいデマゴーグにひと、にんげんのどつぼを感じたものであり、でも、市橋に印税が渡るのは嫌だなぁ、つて、吝嗇を発揮して市橋の手記を買わなかったワガもどつぼの中のむじな、おろかな田吾作である事に思い至り、ちなみに市橋本の印税は被害者であるリンゼイさんの父親が頑として受け取らなかったらしいのだが、さした諸々を鑑みてじゃあ何が出来るか、つうと、こうしてカタカタとキーボードをしばきあげる事しか出来ないわけです。私刑執行人ではないっつう一匙ほどの矜持と共に。

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 ほで、本作、ワタシハイチハシパクラレルマデこと『I am ICHIHASHI 逮捕されるまで』なのであるが、これが犯罪者の美化、乃至、殺人者への断罪、どちらかに振り切った極めて主張の強い作品なのかと問われると、少々首を傾げざるを得ず、実際に観るまで伏魔殿めいた期待をしていた私のまごころを返してほしいものだというのは偽らざる本音なのだけれども、さしたxy軸に糊着せずもっと縦隊的横隊的に要するに自由闊達に観ておれば鼻白む事も無かったかな? かな? と。
 本作にて主語が大きけるのは市橋のたっちゃんの逃走劇である。たっちゃんは逃げる。整形もすれば土方もするし、いちいちラジオやテレビに反応をして、やや神経症的な素振りを見せたかと思うと、変名、ロケーション変更のアナウンスがいちいち行なわれ、ああ、海は広いな大きいなぁ、ははは、と思っていたらば、しばしばカットインされる「潜伏中の市橋容疑者に独占取材」のモノクロの空間で、匿名の記者に自己批判を要求される。

 殆ど、インターネットのみなさまの想像力の範疇なのですよ。

 リンゼイさんによく似ている(とされる)風俗嬢を不器用に捕まえては、本番行為の出来ぬ萎えた自分に吐息。現場仕事から夜逃げをしようとするも、前々から煙たがられていたステレオタイプなあんちゃんと一悶着。
 これら逃走者の神経過敏を描く事を以て、市橋達也の人間像の掘り下げを行なったと言うならばそれはやっつけ過ぎるし、指名手配ポスターやエレベーター内のカメラのアングルなど小技は効いているものの、でもしかしあのね結局逃走者が市橋でなくとも使い回せる作劇ではないのか、と自分などは思ってしまったのだけれども、モニター越しでしか事件を知らない人間の意表を突き且つ真意を得たがごとき描写が無いと、わざわざこの事件をほじくり返した意味に関わる問題に発展するのでは、と老婆心がタップダンスを踊り始める。意地悪な観方をすれば、本作の「市橋である理由」の薄さを逆手に取り「犯罪者美化だ!」と騒ぐ事それ自体が目的の人間に口実を与えてしまうし、主張の薄さから上っ面に好きな色を塗ったくられてしまう。例えばフィクション要素であろうが事件の背景を仄めかし、そこを伏線に何かイベントを起こすだけでも随分と違ったものになったであろうに。ネットの想像力からの逸脱を求めるのは不謹慎との誹りも免れまいが、じゃあ何のための映画か。

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 試しに市橋達也の名前を伏せて最初に述べたように自由に観ていれば。ひとりの犯罪者の逃亡劇である。が、罪状、犯行に至る背景はぼんやりとしたままで、延々と神経質な逃亡と自己弁護(或いは陶酔めいた告白)が繰り返される。
 などと書くとややシネフィル風味で(敢えてアート映画的、とは言わない)、ある種の人々に取っては垂涎効果をもたらすのかも知れないが、はな、何かに追われるように山を走る、はな、離れ島の廃墟で孤独に惰眠を貪る。こう書くと高尚な描写っぽいのは確かに認めるが、悲しいことに本邦は景色が貧しい。イラン映画のような情緒ある貧しさではなく、ただ単にそこら辺の風景がしょぼい。『おくりびと』の中沢敏明氏が本作のプロデューサーを務めているのだけれども、犯罪者が(を)視る風景というのはこんなものだろう、つう諦念が言外に察せられるのは穿ち過ぎか。

 とは言い条、監督兼主演のディーン・フジオカは良い雰囲気を醸していたし、本作を配信した1000takuプロジェクトには可能性を感じているので、期待を込めている事を添えて本記事の締めと致します。


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市橋 達也

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