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音楽を殺せ - 『サウンド・オブ・ノイズ』 - 1953ColdSummer

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音楽を殺せ - 『サウンド・オブ・ノイズ』


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ウンド・オブ・ノイズ
SOUND OF NOISE
2013/スウェーデン/フランス/G 監督/オーラ・シモンソン 出演/ベンクト・ニルソン/サンナ・パーション/他
―街を楽器に! 音楽で世界を変革する―


 世の中には生きているだけで傍迷惑な人というものが私を筆頭にたくさん居わされるが、因果な映画の感想などを書いておると、ことに目にするのが「映画館で騒音をまき散らす人」の迷惑さ、というものに御座います。
 映画館でうるさい奴が居た、死罪だ。つう声はさんざ聞こえど、映画館でうるさくしてしまった、死にます。つう声がまったく上がらないのが昨今のSNS文化の面白いところで、てえのは、まあ、別の話なのだけれども、はな、私かて、映画館で近くに座った人がいつまでもいつまでも袋をがさごそがさごそしていたり、映画本編が始まってもまだお喋りを続けたりしていたらば少々気を悪くするのも確かで、隣に座ったおっさんが上映中にいきなり電話を始め、そののち豪快に屁をひった時には不快を通り越して「この人、おもしれえなぁ」とまじまじと見つめてしまったものだが、斯様に、騒音、雑音、生活音は、日常に癒着した不祥なノイズとしてよく認識される。

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 で、そんな事をへらへら考えながら観た『サウンド・オブ・ノイズ』なのであるが、これは身の回りのあらゆるものを楽器として「音楽テロ」を行なう集団を、音痴をこじらせて耳が日曜日になったり、噴血したりする刑事が追っかけるという、伊坂幸太郎が書いていそうで書いていないお話であり、元々は『アパートの一室、6人のドラマー』つう短編映画であったものを引き伸ばしたものであるそうな。



 医療機器や事務道具、ショベルカーから電線に至るまで、コモディティからただそこにある物までをも叩き、こすり、がなって音楽に仕立てる様子は、スロッビング・グリッスルやアインシュテュルツェンデ・ノイバウテンを愛聴している向きであるならばさほど抵抗も無く受け入れられよう。4楽章の音楽テロで構成された本作にはそれぞれの楽章に意図するところ、オマージュを捧げたるところもあるのだろうけれども、それらを丁寧にナビゲートできない私の音痴ぶりが只々歯痒いばかりである。「『サウンド・オブ・ノイズ』で奏でられる音楽はEBMに近いものであってノイズではない」という論争から早々に身を引いたとも言う。

 ほで、天才音楽一家に銀の匙を咥えて産まれつきながら音楽の才能に恵まれず刑事になった男、面白い事に名前をアマデウスといふのだが、二重に面白い事にこの刑事は、音楽テロリストどもが楽器として使った物や人の発する「音」が聞こえなくなるっつう習性があり、ここまでこじらせると休職して通院した方が良いのではないのか、などとわたくしめは要らぬ心配をしてしまい、彼が選択をせざるを得なかったペルソナ――音楽に拒否反応を示す仮面――を失念してしまうところであった。
 音楽という時間芸術に対面した場合、それは演奏中だけしか存在しないにも関わらず半ば強制的に言語化できない/したくない部分のスイッチが入る事も多々あって、これ音楽への劣等感に苛まれているアマデウス刑事としては、仮面を被り強制的にノイズを遮断するのが生き辛さを生きるのに最適化された最善手となっておるのであろう。聾になったり耳孔から出血したりして実害が出ているのに何がペルソナか、と暴悪大笑面を浮かべながら異議を申し立てる向きもあろうが、6人の音楽テロリストが交響楽団の奏でるクラシックをこそ「ノイズ」と断定し、アヴァンギャルドに実験音楽を奏でる事を繰り返す行為の鏡合わせとして、刑事の音楽に対するペルソナがある。お前たちは音楽に対する音楽を挟持と仮面を被っているが、こちらは音楽そのものから自衛するために仮面を被っている。その下の顔も最早仮面と同じになってしまっている。という具合だろうか。

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 要するに主観の対立であって、音楽は方便に過ぎないのだろうと感じる。だからこそアマデウス刑事はペルソナを被り続けたまま、妥協を以て物語は幕となるのだろうし、既存の楽器を警察(=権威)に投げ付ける冒頭からして反権威というよりは硬骨漢めいた主義主張の強調として観る事が可能になっている。
 俺がノイズと言ったらノイズなんじゃ、いや、お前らが演っているのがノイズじゃろ、うるせえ、全部ノイズにしか聞こえんわ、といった本作の空気は、ここ最近のネット上の言論というのもみみっちいコミットの換喩にも出来ようなぁ、と、すっかり心の汚れてしまったわたくしは、でも、人間の頭も引っ叩けば音が出るしなぁ、乃公の頭を左右に振ればころころ何かが転がる音がするしなぁ、ははは。と、思う事は色々あったのだけれども、実験音楽が他の主張への蒙を拓き、曖昧にされがちな「実験」に対する「結果」を出したという点でこの映画を評価したいと思いました。どっとはらい。


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