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ひどく暑かった日の下衆ソング 『ペーパーボーイ 真夏の引力』 - 1953ColdSummer

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ひどく暑かった日の下衆ソング 『ペーパーボーイ 真夏の引力』


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ーパーボーイ 真夏の引力 
THE PAPERBOY
2013/アメリカ/R15+ 監督/リー・ダニエルズ 出演/ザック・エフロン/ニコール・キッドマン/マシュー・マコノヒー/ジョン・キューザック/他 原作/ピート・デクスター/『ペーパーボーイ』
覗いてはいけない、禁断の闇


 カツヲ、アニメばっかり観ていないで現実を見なさい。とサザエザンボット(監修:富野由悠季)に言われたような気がしたので、勝男という名前でもないし、アニメなんて殆ど観ないのになぁ、つうもやもやを押し殺して、劇場で観損ねた『ペーパーボーイ 真夏の引力』をぼらぼらと自宅鑑賞する事により、現実とフィクションの折衷を図ったのだが、信じるのは勝手だけどお前が性善々々と拝んでいるそれは犬の糞だよと言わんばかりに繰り広げられる露悪的な描写に、魂がルフランしたというか、そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります、つて、寛容な人間の振りをしている人の頬桁をマコノヒーのヒップアタックで押し飛ばすがごとき超現実に、人生100回分ほどの現実を見た気がしたのだけれども、ニコール・キッドマンが股を開いてストッキングを破ってくれたり、顔面騎乗して屎尿を垂れ流したり、エア尺八をしてくれたりするのはどう思いを致しても現実的ではないので、私はいったい何を見たのかと自問自答、ある日庭の掃除をしていたら悟りを開いたといいます。

 ともすれば露悪と受け取られがちな、夢・祈り・願望といふものを一切合切排除した現実に則した文脈、社会の厳しさを念頭に置いておくのは非常に大切な事で、そういう事にしておかないと政府やお年寄りが困るし、最悪の事態に至っても想定済みで対処のしようもあるかも分からんし、些細などうでもいい事でいちいち喜べるようになるので、てな事は『悪の法則』(感想)を観たみぎりにデッチあげたライフファックであるが、『凶悪』(感想)を観たときにも似たような事を思ったので、ワガの頭脳のシナプスの数の少なさに天仰したという現実からは目をそらし、本作、『ペーパーボーイ 真夏の引力』にて生皮を剥がされていく人間性を目撃した各位の胸中は如何様であったのかと雑駁に思いまする。
「実はお前は橋の下に捨てられていた鬼子なんだ」「実は今は西暦2500年」「あなたはイエス・キリストの生まれ変わりだ」「毎晩地下室から聞こえてくる悲鳴の正体」「恋なんていわばエゴとエゴのシーソーゲーム」等々暴露されて困る事実には事欠かない現実に御座いますが、ニコール・キッドマンが清々しいまでの痴女を演じており、マシュー・マコノヒーのサイコパス顔から薄々想像していたのだけれどもやっぱり○○だったとか、本作が提唱/追求する事により「現実」の可能性もまたひとつ拓けたという事で、鉄格子の嵌った窓を眺めながら現実について考えております。

 本作に於いて、寸毫の仮借もなく手を変え品を変え繰り出される「不快なもの」の数々に、私などは「これが現実性だ」と乱調気味な事を先に書いてしまい、哀れ今や漫談家見習いに身をやつしてしまっておるのでございますが、そふいふ不快なもの、夏の湿地帯の腐るような暑さ、スカトロ、寝取られ、年齢相応でない白ブリーフ、鰐のモツ(美味しそう)、他人の自慰、これらは本作の不快物のごく一部を列挙しただけでありますが、何故にそれらを不快に感じるかというと、不快に感じるような経験・体験・妄想がひと、にんげんの中に結実しておるからで、記憶に準拠して出来のよろしい脳味噌が「あっ不快だなぁ」と信号を送りやるわけで、映画的な演出された快感よりも「不快感」の方が即物的・体感的なので手軽に描かれる事が多い上、共感も得やすい。ホラーにしろSFにしろコメディにしろ、それこそロマンスにしろ、登場人物に一定のストレスを与える事が笑いや感動に繋がる物語の推進力となっているのは中々否定できやぬところである。最初の方でデブがパンストもあらわに「オナニーよ!」とか言っている時点で私は腹を括ったよ。

 ほで、じゃあ『ペーパーボーイ 真夏の引力』は不快なものを並べただけの『ギニーピッグ』のごとき顔面陳列罪なのか、語るに落ちたな貴様、と言いたい向きもあろうが、少しく呼吸を整えていただきたい。
 本作は、童貞の淡い恋愛譚でもあり、そのエピローグばかりを少々誇張して、グラン・ギニョレスクなカントリー・ノワールの貌をも見せる。正直言って囚われのジョン・キューザックが冤罪か無罪かなんつう取っ掛かりが霞む程です。あっ全然説明の責を果たしていない事に今気付いたのだけれども、冤罪疑惑のある死刑囚の再調査をしに戻ってきた兄を、弟が運転手兼雑用係として手伝うのだが、困った事に弟は童貞なので死刑囚の婚約者の色香に、もう我慢ならん、てなお話なのですよ。

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 ニコール・キッドマンの金髪豚(ブロンダー)っぷりが苛烈極まっており、あまりまともな人物が登場しない本作の中でも特に灌木の茂みから恐々覗き見ているような感覚を味わい、その男遍路の終着が訪れたときには一種の感動すら覚えたものである。近年の映画に出てくるビッチたちと比較しても、恐らく本数の桁が違うと思わしめる事間違いありますまい。
 と、しみじみ思っていたら、マシュー・マコノヒーも『Killer Joe』(感想)に劣らぬ怪演を見せてくれたので、思わず変な声が出ると同時に、今後もこういう役柄を邁進していっていただきたいと性風俗の寸断を願うような事を望んでしまった。

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 地獄と極楽の中庸辺りを、現実、と言うのではなくて、ただてきぱきと運否天賦、努力才能の筵旗に小市民的な欲望を無表情に話法と落とし込むのが我らが市井が認識する、現実、なのだと思う。
 が故に、人が少々、いや多少、っつうかかなり人道に悖った感のある本作に対しても、天秤が大きく傾いた瞬間をこの60年代を意識したざらついたカメラで捉えたものとして、ソウル・ミュージックで飾り立てた映画としてみれば、そこにあるのはカメラを持っている人間の作為だけだという事に気付く。人種差別だろうが、マイノリティな性癖だろうが、在るものは在るのでそれをそのまま話に盛り込んだのは「現実」に対する真摯な姿勢である(最も原作は多少異なるらしいが)。
 私が露悪的な描写に両手を上げるのは、それが現実であり非現実でもあるという映画ならではの作為が嬉しいからであるが、本能の錯綜をフロリダ版『ひと夏の経験』として描いた本作の作為にも、人事ならぬ苦味を感じたといふ感想を以て幕。


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