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『SHORT PEACE』 アニメを失った大人達へ - 1953ColdSummer

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『SHORT PEACE』 アニメを失った大人達へ


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SHORT PEACE
2013/日本/G 監督:大友克洋/森田修平/安藤裕章/カトキハジメ/森本晃司 声の出演:春名風花/他


『風立ちぬ』(自分の感想はこちら)が賛否ともあれ大好評、爆発的にリピーターを増やしているそうである。目出度い事である。という事で『SHORT PEACE』を観に行ってきた。

 個人的には『スチームボーイ』ぶりの大友克洋という事もあって、事前予習に、アキラを頼んだぞ、さらばじゃ、さらばじゃ、などと神がかりになってミヤコ様の真似をしてみるも、別にそこまでミヤコ様に私淑しているわけでもなく、僕はむしろ鉄雄が好きなんだけどな、と真顔に帰りおるも心の驕兵を戒める事をせず、オムニバスらしいよ、程度の情報しか仕入れずこれを観たのだけども、その上映時間は68分。これを短いと思うか否かは100人居れば、まあ80人程は短いと言うのだろうが、アニメにあまり免疫の無いわたしとしては、オープニングアニメと、『九十九』『火要鎮』『GAMBO』『武器よさらば』という4篇のテンポを程好く感じ、通常2時間を超える文芸大作などを観ていると脳内が散文的になってくるのだが、本作は中々に韻文的に集中して観る事が出来た。全篇を通して登場する富士山なんかもそれに一役買っていたのだろう。

 オープニングアニメは、麻衣という少女が隠れんぼをしていたところ電脳的な不思議の世界に迷い込んでしまうというもので、『アニマトリックス』や『幻魔大戦』(の原画)を手掛けた森本晃司が監督をし、さらに音楽PVのノウハウを活かしたような小気味の良いものになっており、全篇通して一番面白かった。さてこの少女が各世界の案内人になってくれるのであろうや? と思っておると別段そんな事もなく、これは後で知ったのだけども、声を当てているのがTwitterで決して名前を口にしてはいけない某子役であったという事実からも、空間ではなく時間に依存した刹那的な冒頭であったという事に結論しておいて良かろうと思う。

 ほで、1発目が森田修平の『九十九』である。『カクレンボ』の時のような和装趣味を全開に、付喪神と修繕師の涼しからざるやり取り、一種の怪異譚となっておるのだが、雨傘の花が咲いていく様子、小袖の手が舞う様子などは幽玄で美しく、かと言ってそこにばかり目を取られていると思ったら大間違いで、修繕師のつづら箱、これに道具が詰まっておるのだけども、その開き方が、ほら、昔あったでしょう、ボタンを押したら消しゴムケースが飛び出したり鉛筆台が跳ね上がったりするメカニカル筆箱。それを思い出してしまい、何とも言えぬノスタルジーを感じた。

 2作目は大友克洋自らが手掛けた『火要鎮』(ひのようじん)。
MEMORIES』の『大砲の街』の如くに、絵巻――1枚絵の上を流れていく実験的な作画を礎に、八百屋お七と振袖火事をモチーフにしたような炎禍を描く。
 人によってはこれが本作のベストであるとの声も多数聞こえてきてはいるものの、世の中には自分で放火をした挙句その写真をブログに乗せ逮捕されたような御人もあるので、かくも火影は人のこころを動かすのか。むべなるかな。とは思うものの、いささか複雑な解釈を要求するその作劇に脳内で小人が過労死したので、ボーっと観ていたらボーっと燃え上がってボーっと終わった短編、という印象であった。

 3番手は『GAMBO』なる白熊と赤鬼の怪獣大戦争のお話。人間、特に女人に対する血しぶき、乳房の露出、孕ませなどがあったのでG指定で大丈夫だったのかなと余計な心配をしつつも、話は一番シンプルで分かり良く、最後のオチに軽い捻りがあったりして、兎角観てスッキリした。

 トリを飾る第4話は『武器よさらば』という、廃墟と化した未来のトーキョーでの殺人自律思考戦車との市街戦。カトキハジメによる細かいインダストリアル・デザインに、それが器用に動き回る様子は男の子なら大歓喜。兵器からスーツまで兎角描き込みが素晴らしく、また一番尺が長い話ともあって王道ながらサスペンスのある展開になっておるので、乃公があれこれ注釈する必要も無いように思う。あ、腋毛、陰毛、ぶらぶらにかけられたボカシ、なんかが出てくるので、ちょっと身体の真ん中辺りがドキリとした事は書き添えておきたい。

 それぞれ原作、原案となった短編漫画やイラストがあったり、ワンアイデアだったり、出典は異なるのだけども、日本のアニメーション、『AKIRA』以降蔑称ではなくなった「ジャパニメーション」として、世界を視野に入れたオムニバス集として、まあ世界以前に我が朝の観客を満足させてもらわねば困るのだが、得心が行ったかといえば正直、寸止めをされたような感覚も無きにしに非ずだが、姑息ながら逃げの論法でわずかに話を逸らすと、映像詩としては申し分なく、それぞれの話もエッジが立っている。にも関わらず酸っぱい事を書いてしまうのはやはり大友克洋らには少しく常軌を逸したカタストロフを、もうちょい、時には腰を揺らすようにしてやはり描いて欲しかったからで、新作と聞いて眼前で赤い布を振られた闘牛の如くになっている観客としてはもてあまし気味なのであるよ、色々と。でも、『風立ちぬ』と上映時期がかち合ってしまったとは言い条、総体的には面白いアニメーション作品であるし、パンフレットも豪華であるし、お薦めですよ。


SHORT PEACE 設定資料集 【監  督】大友克洋、森田修平、安藤裕章、カトキハジメSHORT PEACE 設定資料集 【監  督】大友克洋、森田修平、安藤裕章、カトキハジメ


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