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『ザ・マスター』 通過儀礼の迷宮 - 1953ColdSummer

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『ザ・マスター』 通過儀礼の迷宮


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ザ・マスター
THE MASTER
2013/アメリカ/R15+ 監督:ポール・トーマス・アンダーソン 出演:ホアキン・フェニックス/フィリップ・シーモア・ホフマン/エイミー・アダムス/他 音楽:ジョニー・グリーンウッド


 サイエントロジーをモチーフとした新興宗教の教祖様にアル中の帰還兵が心酔してゆき、その後懐疑に目覚めゆくというお話。
 つて説明だけで終わらば楽なのだけども、要約文だけを書きつ笑いつ先達に阿諛追従、へらへらしながら家畜の安寧に身を漬かるというのもなーんか少しボクのインターネットとは違うんだよね、なんつう事を抜かしおる批評家気取り、まあわたしの事なのですが、こそ新興宗教に狙われやすいんと違いますやろか、ほら、商店街でよく手を合わせられますし、はは、笑ける。と、嫌な自覚はあるので色眼鏡を拭き拭きこのPTAポール・トーマス・アンダーソンの新作を観に行ってきたのだが、警戒していたのとは全然違うくて、そこにあったのは教義を押し付けたり熨斗付けたりして金銭を要求するステレオタイプな新興宗教ではなく、教祖ランカスター・ドッドを演じたフィリップ・シーモア・ホフマンの言葉を借りると、「フロイト的なセラピー」を施していくような物語であって、補完の歩調を合わせて行ったらその関係性はまるで……という比較的分かり良い暗喩が主題になっている。ような気もするのだが、気もするだけで正味の話、咀嚼も嚥下も出来ておらず、こうした感想を持つ事がすでに新興宗教の掌で踊っておるという事では、という疑問も払拭しきれぬので、話半分で読んでいただけると幸いである。

 本作の、ランカスター・ドッド率いる“ザ・コーズ”という宗教団体が版図を広げてきたのには歴史的な背景もあり、時は1950年代。帰還兵のメンタルケアや、悪魔崇拝含む神秘主義が台頭してきた時代でもある。主人公フレディはアルコール中毒という形で海兵隊時代のトラウマから逃亡し、酒精が尽きると気がおかしくなって物理的な破壊衝動、暴力で蛮性を解放させてしまう。であるが、結果としてその暴力が、はな、教団を護る事にもなったりして、目利きのする人はそこで時代/政治に絡めて何らかの縮図のような指摘をしたりするのであろうが、わたしは目が腐っているので斯くした事象よりも、すっぽんぽんで乱痴気騒ぎをしたり、砂漠でバイクで走り去ったりといった断片化された場面にいちいち性と死の暗喩だのとベタな事しか考えられぬ。知性のある映画は往々にして暴力的なのである。

 出来れば、うさぎが半纏を着ていっぺえ飲っている絵図の入ったグラスでヤクルトでもちびちび舐めながら映画を観たいなと考えておる意識の低さを誇る乃公としては、本作の主題、主眼がどこに向けられておるかを察知・論ずる事はこれ非常に難しく、本作にインスピレーションを与えたという、『ダイアネティックス』なるサイエントロジーの協議本でも服毒、じゃなかった、副読すればタシにはなるのかな、Amazonで気軽に通販できるみたいであるしな、フムス。と思っておると、ポール・トーマス・アンダーソンは「宗教について描きたかったわけではないよ」つう事をインタビューで言っている。煩悶。ギャーっと絶叫しそうになった頃、別に帰還兵と教祖のブロマンスというところで妥協しておけばええやんけ、てな天啓を得、現在に至るのであるが、セラピーを施す、補完をする、といった事柄から、ニュアンス的には父子のそれを連想するに連れ、もしや、指導者の有無に問いを立てる映画なのではないのかという疑問も生じ、そうすれば、数々のシーン、例えばバイクに乗って行方をくらますシーンなども、家出、みたいな極めて卑小な家庭問題に置換する事も出来て、それが出来ると全部が全部父性と擬似家庭の話にこじつけられるのでは、と思いつつも、往々にして映画とは「父を殺すための表現形式」なのであり、つう事は帰還兵と教祖の間には爆弾が抱えられている必要があって、その爆弾とは何か。つまる、戦争からの帰還と失踪からの帰還、この二度の喪失と再生に鍵があるとアタリを付けてみたのだけど、そこにはやはり指導者=父性の存在を前提としている事を痛感し、カフカの『城』の如く作品の本丸に中々に辿り着けぬ。

 暗夜行路、暗中に模索するが如きにこうして乃公うんうん唸っておるのであるが、帰還兵がどう変わった(成長、ではない)のか、教団が包括していたものは幻影含め何であったのか、その辺りを言語化するだけでも随分思考は進むし、ともすれば閃きを得るかも知れない。困るのは言語化するにしても兎角手掛かりが少ない、或いは自分が見落としていた、のと、一回一回のシークエンスが、そこだけ切り取ってコンビニでカラー印刷をし部屋に飾っておいても良いほどの美しさがある事で、そんなシーンが繰り返される以上は紙芝居的な観方をしてしまうのは人の業、幕間を読めないわたしのような明き盲は置いていかれてしまうのである。此度の事態は反省し、あと何度か観て自分なりの解釈を打ち立ててみたいものである。


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