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『ヒッチコック』 こんばんは皆さん、人は誰でも―― - 1953ColdSummer

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『ヒッチコック』 こんばんは皆さん、人は誰でも――


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ヒッチコック
HITCHCOCK
2013/アメリカ/G 監督:サーシャ・ガヴァシ 出演:アンソニー・ホプキンス/ヘレン・ミレン/スカーレット・ヨハンソン/他 原作:スティーヴン・レベロ 『アルフレッド・ヒッチコック&ザ・メイキング・オブ・サイコ』


 キャッキャッキャッキャッ! デーデーンデデーン……つうのは何も猿がほたえ騒いでいるわけではなく、皆様ご存知バーナード・ハーマンのスコア、つって分からなければ『サイコ』のシャワーシーンのあの曲に御座いますよと言えば、雁首揃えて「ああ」と頷いていただけると思うのだけども、あの禍々しくも挑発的なバイオリンは一時期ワガの目覚ましBGMに設定しておったくらいに過激で、未だ古びるという事をせず、かつ寝起きの脳に刺激的で、健康に良く、五穀豊穣を齎す事から、縁起物、験担ぎとして我が朝でももののふが合戦に赴く際にこれを演奏したという……かどうかは寡聞にして存じ上げませんが、映画音楽としては、『Tubular Bells』の次くらいに好きな楽曲であるので、キャッキャッキャッキャッ! デーデーンデデーンがダニー・エルフマンのアレンジで聴けるという事もあって、へらへら『ヒッチコック』を観に行ってきた。

 幼少時に、お巡りさんに冗談で留置場に閉じ込められたから事から警察嫌いになっただとか、江戸川乱歩、淀川長治らと会食の席を持った際に、鶏肉をつつき始めたタイミングを見計らって怖い話を始めただとか、アルフレッド・ヒッチコックに関してはまずその作品群よりもエピソードが先に出てくる辺り、わたしがヒッチコック愛、ラヴ、とか言うのも空疎に聞こえるような気がしないでもないが、にんげんという生き物は予習復習という事ができるのであって、はな、本作『ヒッチコック』に関しては、『サイコ』だけ復習しておけばいい、という話を漏れ聞いたので、DVDをプレイヤーにこれ設置、再生してみたらばガス・ヴァン・サントの方の『サイコ』が始まったので、不貞寝をしていたらキャッキャッキャッキャッ! デーデーンデデーンという音楽で目が覚めた。DVDのメニュー画面がこの曲のリピートなのだ。はは、笑ける。とからから打ち笑っていたらもう『ヒッチコック』上映まで時間が無い事に気付き、ミニシアターまでピンク色のママチャリをぶっ飛ばして駆けつけた。

 ヒッチーその人の人生劇場、ではなく、『サイコ』の製作過程に於けるあれこれを映画化したものなのだけども、ヒッチーを演じるアンソニー・ホプキンスの特殊メイク、というか、リアルタイムで観ていたわけではないが、ヒッチコック劇場の案内人テイストな佇まい、飄々としたその姿に先ず感動を覚えたね。ほで、それが冒頭及び窮地に陥るたびエド・ゲインの姿を幻視したりするものだから、このまま現実と幽冥の境がおかしな事になって『RAMPO』みたいな展開に……と、尻を浮かせつ手汗握っていたら別段そんな話になるでもなく、芯のしっかりした夫婦愛を以て了となるんですな。はて。これは『サイコ』のメイキングの話だったのでは。と思われる向きもありましょうが、一応、「初めてトイレを映した映画」であるとか、「ヌード部分はダブルボディ」であるとか、トリビアルなディテールにもちゃんと言及がされており、特にヒッチコック本人が出刃包丁を持って、オリジナルでマリオンを演じたジャネット・リーをそれまた演じたスカーレット・ヨハンソンにふんふん振り下ろすシーンは、本当に鬼気が迫っておって脳内でキャッキャッキャッキャッ! デーデーンデデーンが再生された。本来、このシーンは無音で進める予定だった、とか、実際はメロンに包丁を突き刺してその音を使っていた、とか、色々ありますな。

 もう『めまい』や『北北西に進路を取れ』で巨匠の地位を確立していたヒッチコックではあるが、慣例的と言えば慣例的な映画作りの文法から外れた『サイコ』を撮るに当たり、まず資金繰りから頭打ちになってしまう破目になるし、つがいが浮気しているような素振りを見せるので気になっているのだけどワガもブロンド女優に夢中なので表立って糾弾も出来ず、そりゃもう「役者は家畜と同じだ」なんてこぼしたくもなる。アンソニー・ホプキンスはヒッチコックの事を「優れた作家であり哲学者だ」と評しているが、サスペンス映画の代名詞であるヒッチコックを、等身大の面白いおっさんとして再構築した本作にはやはり映画編集のシーンがあっさりし過ぎている、との批判、風当たりも強いのだけども、そこはモンタージュを見せるのではなく、モンタージュを介した絆の再生を見せるシーンだと個人的に感じたので、「その言葉を30年待っていたわ」という台詞が出るシーンなどで、ふつうに心が潤ってしまうのである。

 映画作りに於けるエピソード、なんつうと、色々と奇行めいた、むしろ奇行、暴虐としか思えぬようなエピソードが誇大気味に喧伝される事が多く、例えば本作で言うと、映画『サイコ』のネタバレを防ぐために原作本を買い占めさせたとか、そういう位相のやり口が、エキセントリックであればある程イコール宣伝効果となって、一見さんや物見遊山に興味を抱かせる事に成功する。事実、『サイコ』は徹底された緘口令と、途中入場禁止によってショック映画として現在も語り継がれている。『サイコ』が先か『血を吸うカメラ』が先かどちらがスラッシャー・ホラーの元祖だ、コラ。という言論まで派生している状況で、改めて『サイコ』を作ったのはこんなもっさりしたおっさんだよ、と解題してみせたのはある種のリ・イマジネーションではないのだろうか。


アルフレッド・ヒッチコック&ザ・メイキング・オブ・サイコアルフレッド・ヒッチコック&ザ・メイキング・オブ・サイコ
スティーブン レベロ 岡山 徹

東京物語(Blu-ray)  小津安二郎生誕110年・ニューデジタルリマスター【初回限定版】 ヒッチコック―映画と生涯〈下〉 ヒッチコックを読む―やっぱりサスペンスの神様! (ブック・シネマテーク 2)

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